海辺の精神病院に赴任した医師ベアトリスは、母親を惨殺されて以来入院している少女と知り合う。しかし少女はある日、入水自殺をしてしまう。記録によれば、この病院では過去にも多くの入院患者が自殺している。この病院では一体何が起こっているのか。真相を探ろうとするベアトリスはやがて、現実と幻想の境目が見えなくなっていく…。
2004年製作のスペイン映画。原題は「Hipnos」です。
近年、「リング」や「呪怨」などがハリウッドでリメイクされ、ジャパニーズ・ホラーの評価が高まっていますが、スペイン産ホラーというのも業界では注目を浴びています。「テシス」(ASIN: B00005FPTL)のアレハンドロ・アメナーバルや「ネイムレス 無名恐怖」(ASIN: B00006GJBM)のジャウメ・バラゲロなどは、ハリウッド進出を果たしています。 この映画も、そうしたスパニッシュ・ホラーのにおいをまとった作品です。
とはいうものの、惨殺事件、精神病院、怪しげな医師と患者、といったお決まりの小道具を揃えた物語展開にはあまり観るべきところはありません。オチのつけどころは予想通り。いつまでもドイツ象徴主義の代表作「カリガリ博士」(1920年)を真似るようなことをしていてはダメでしょう。
ベアトリス役のクリスティーナ・ブロンドはなかなか魅力的な女優です。その点だけは評価できます。
ただし、どういうわけか入浴シーンが多く、必然性があまり感じられない形で幾度もその裸身を惜しげもなくさらしています。観る者へのサービス・ショットにしては少々過剰な気がします。そのため、子供には積極的には見せられない作品になってしまいました。
なお、「パズラー2」と銘打っていますが、この映画に正編はありません。日本でDVD販売されている「パズラー」(ASIN: B0009V1DW4)はこの作品とは一切関係がないドイツ映画です。