私は、テレビ神奈川の『サクサク』を2001年の秋ぐらいからずっと見ている。従って、なにしろ、木村カエラが初めてテレビに出た日も見ていた。さすがに『セヴンティーン』は読んでいなかったが。
それ以降の彼女のブレイクぶりは周知の通りだ。私はロック・ファンだったから、彼女の圧倒的な声量には驚かされた。ただ、あそこまでの急速な人気というのは予想していなかった。
こちらは中年なので後からだんだんわかってきたのだが、まず、パンクなどを中心に、今の若い世代の間では、ロックというのが新たな形で捉えられている。特に、ファッションとのリンクが大きい。今や「ロック」というのは、一部では最早ファッション用語だ。そういう意味では、木村カエラというのはまさに待ち望まれた存在だったのだ。一部雑誌などでの扱われ方を見ているとそれがよくわかる。
本作は彼女の六枚目のシングルで、プロデュースは會田茂一。ハードなロックでありながら、ポップでもあり、ちゃんと日本でヒットする枠内に収まっている。今、こういうことができる日本人の女性シンガーは、確かにパフィーと木村カエラぐらいだろう。第二、第三の木村カエラを作りたいという人は業界にはきっと多いだろうけど、それは大変難しいはずだ。