ありそでなかった、ロニーのベストアルバム!
ソロと、参加バンドとのカップリングはロニーならでは。
ソロの方、俺と仲間なんて、全曲入れてもいいくらいだけど。
ソロも参加バンドもほぼ揃えてしまった身としては、このアンソロジーは、選曲もサラリとした感触を抱いてしまってるが、ビギナーズにとってはどう聴こえるかな?
新曲は、片やスライドオンディスでがっぷり組んだバーナードファウラー、片やタイトルが全てを物語っている、何をか言わんやのロッドのとの共演とは、やっぱりロニーも義理堅い男よの。
しかし、越谷さんの解説、初オフィシャル化!という文言は余計。これでは、ブートでは出回ってたみたいなニュアンスやないの。それとももしかしたら、彼は、個人的にデモの段階でロニーから聴かせてもらったのかもしれんけど。でも、やっぱり未発表か新曲とゆーといて。ついでに、後者にマーティン何とかゆー人がヴォーカルをダビングしたという事実も蛇足。ここは、ロッドとロニーの独壇場にして欲しかったところ。
40年の軌跡を、どうしても駆け足になってしまうのは否めない。
でも、フェイシズとロッドが交互に顔を出す時期は圧巻。この際、フェイシズ、ロッド、初期のソロで1枚を固めて欲しかったぐらい。
セヴンディズは、サードソロ、ギミサムネックを代表する曲だが、ここでは、何と、ボブディランの30周年記念コンサートでのライヴァージョンが収録されているのが驚き。
そのコンサートの模様は、2枚組アルバムになっているが、さすがにそこまで手を出せず、長いこと聴けず終いになっていたが…。
しかし、レアトラックの収録云々というよりディランのアニヴァーサリーという思い入れから収録したというのがロニーらしい。
ギミサムネックからはせめて1曲だけでも収録して欲しかったなぁ。
レアトラックとしては、シングルヴァージョンのブリーズオンミーの収録を期待した、
越谷さんのストーンズ大百科には、このテイクそのままでセカンドアルバムに収録とあり、長いこと俺もそれを信じていた、同著は2002年にも改定版が出たが、その記述は変わらず、
しかし、世界一愛されてるギタリスト・ロニーウッドを読むと、
シングルは異なるテイクを収録とあるではないか!
現物を聴いてみると、セカンドのより1分近く短いながら、聴き込まないと違いが分からないくらいアレンジも演奏も似ており、これでは、同じテイクと思われても仕方ない。
このアンソロジーでも、数々のアルバムに収録してきたとあり、
このシングルを除いても、セカンド、スライドオンディスに収録されている。
そんな思い入れのある曲だからこそ、アンソロジーでは、最新テイクであるスライドオンディスのバーナード、マックとのテイクで収録されたのだろうけど。
ロニーは、ライヴアルバムも多数出しているが、ここではスライドオンライヴからのみ選曲。
参加バンド、バーズやクリエイションは、シングル単位というのも芸がない。シングル発表順に収録した全曲集を聴き込んでいたから、曲単位で選んでくれた方が新鮮味があった。
ザバーズの全曲集は、やはり越谷さんの詳しい解説があったから、ここでは新情報はない。
特に、クリエイションは、3枚のシングルの参加のうち、最初のものを選んで、2曲とも同じコメント、しかもちょっと言ってること分かんない。しかし収録してくれたおかげで、歌詞対訳が読めた。
サンタバーバラマシンヘッドは選曲なし、まぁ仕方ないが、曲やプレイは謎めいていて興味深かった。
ましてローリングストーンズで2曲とは、駆け足どころではない。ターニングトゥゴールドは…曲としても余り好きではないし。ブラックリムジンはまぁ良いとして。ミックと交換したというイッツオンリーロックンロールや、曲作りに大きく関わったプリティビートアップや、ダウンインザホールでも良かったのではないか?
まぁどん底ブルースでは、アンソロジーには相応しくないか。
このアンソロジーに色々と不満を申し立ててはみたが、それは俺がロニーが好きで、マニアックに掘り下げて来たからこそで、楽曲の成り立ちや参加メンバーで曲が選ばれてれば、俺のお気に入りが入らないこともあるだろう。
それよりも、こうして一つのアルバムに纏め上げたこと自体に意味がある。
ロッド、キース、ジェフ、バーナードらのコメントも収められているのも、この盤を特別なものにしているし。
一言で言えば、帯の言葉、「サンクス、ロニー!」というのが相応しい。
ロニーは、ロックンロールの潤滑剤だ!
…今度は、SRVの全仕事、みたいな、ロニーがゲスト参加した作品を、マニアの視点で編纂してくれたら嬉しいな。