このDVDは、2000年4月のケルン・トリエンナーレでのライブ演奏が収録されています。リージョンオールですので、心配する必要はありません。2000年という20世紀最後の年、という事で、20世紀に作曲された、アルバン・ベルグ、ドビュッシー、ストラヴィンスキー3人の作品を収録しています。収録されている曲は、ベルグのオペラ「ルル」の組曲からの抜粋で、ベルグが新ウィーン学派の3人の内でロマン主義の残り香を持っており、聴きやすい(といっても、無調ですが)のは、ソプラノ歌手「クリスティーヌ・シェーファー」の歌唱によるところが大きいと感じます。
ドビュッシーの作品は、ボードレールの詩による「噴水」とフランソワ・ヴィオンの詩による「3つのバラッド」で、珍しい選曲ですが、ここも「シェーファー」の歌唱力で楽しめます。3人目のストラヴィンスキーの作品は、バレエ3部作の最初の曲「火の鳥」全曲版です。オーケストラは、シカゴ交響楽団で、後にパリ管をルーブルで演奏した同曲のDVDに比べると、線が細く感じられます。画質も「ルーブル」での収録よりも落ちます。