2006年FIFAワールドカップドイツ大会で、最も“個性=らしさ”を発揮・炸裂させた唯一の国(日本以外で…)であり、また、全世界のサッカー界を揺るがせた一連のカルチョ・スキャンダルに起因するアンチ・イタリアの逆境を撥ね退け、見事ブラジルの5回に次ぐ4度目の優勝を成し遂げた、アッズーリことイタリア代表チームの美しき軌跡。
ピルロの流麗かつ確実な配球、ガットゥーゾの獅子奮迅の走駆、ザンブロッタ&グロッソのダイナミックな攻め上がり、そして言わずもがな、マテラッツィの独り相撲…etc... など、見どころ満載なのだが、白眉はカンナヴァーロの“究極の”ディフェンス。
とにかく速い危険エリア察知とカヴァーリング、必ずボールにいく(どう見てもクリーンな)スライディングタックル、空中戦で身長差を無効化する驚異的なジャンプ力と体のぶつけ方&手を使った抑え込み方などなど、ディフェンス能力で他との格の違いを露骨に示せる選手は正直初めてだ。
当然の成り行きで、今大会でのパーフェクトな働きぶりによって彼はバロンドールを受賞する。DFとしての受賞ははっきり言って偉業で、FWやMFでの3年連続受賞ぐらいに相当すると思う。
このDVDは、イタリアの軌跡を総括することだけでなく、現役最強のDFカンナヴァーロの究極のディフェンスを観る!という用途・目的でも大変見応えがある。