まぁ、議論は尽きない作品として評価は様々な訳ですが、個人的に実際に第2巻を見た感想としましては、第3話の体育武道祭はストーリーの流れに少々の無理を感じました。
恐らくですが、ジャンプアニメにありそうな対決路線で作りたかったのではないかと思われます。
素奈緒とエリカの対決で演劇部の創部を賭ける。ストーリーの組み方は悪くない。
問題は素奈緒が14連敗した事。そして、そこからの「逆転劇」を演じるに視聴者側が納得できる理由付けが無い。
早い話が、最後のドッジボール対決が唐突過ぎるんですよ。
「そういう勝負の決め方もある」と暗示される複線がどこかに貼ってあればまだ何とか成ったんじゃないかなと思えるのですが、それが無いから、
「いきなり何が起きたの?」
的な疑問符が付きまとうんですね。
残念ながら第3話は脚本の組み立てに失敗しているため駄目です。
逆に第4話がしっかりしている。
この「つよきす」シリーズはツンデレをメインで扱う作品。
私、ツンデレとは「緊張と弛緩の連続による心理的揺さぶり行為」であると思っています。
女の子からその対象が「もてない男の子」に向けられた時、ツンデレはその効果をより効率的に発揮する訳ですが、この第4話の様に家族に向けられても十分な効果を得られる。
私が思うにツンデレとは、親近感の表現方法の一つなので「そのキャラに近い存在」なら、どこに向けても十分な効果が得られると思っています。
家族に対して対立という「緊張」の状態から、和解という「弛緩」の状態に向かう椰子家の様子を描いた様は実に良かった。
しかも、その糸口が素奈緒の演劇だときているから演劇にのめり込む素奈緒のメインストーリーを引き立てる効果もある。
これなら、文句ない。
第2巻を通して全体を評価しますと流石に満点を付ける訳には行きませんが、標準以上の良さは評価できるだろうと思っています。