タイトル曲では初めてのラップ挑戦、ビキニ衣装など見所聴き所は色々あるが、特筆すべきは
パーカッション隊のテクニックがかなり向上していること。
間奏でのパーカッションと鍵盤・ギターとのスリリングな絡みは最早フュージョンと言っていい位で(特にM-3・free birdは必聴)、
今時流行りそうな音楽じゃないけれど、長いブランクを経てもボンブラの「軸」はブレるどころかより強固になっている。
10代の女の子グループとは思えない程、音楽的な完成度が高い。
甘酸っぱい女の子っぽさと、それとは裏腹なクールネスを湛えたPANINARO30氏のリリックは今回も冴えていて、
何でもベッタベタに甘くクドくしたがる今のJ-POPと対極を成す都会的センスが最高。
「ユラユラ揺れる世界の中で君との時間が僕らをまろやかな明日へと運んでゆく」
「斜め40度の君の横顔に果て無い闇が千切れ飛んでゆく」…こんな歌詞、他にどこで聴ける?
(挿入される男ラップは「いかにもJ-POP」なベタさだったけど…でもこっちの方が今売れるラップなんだよな…)
2006年で活動5年目、メンバーチェンジの無いアイドルグループとしてはメロン記念日に次ぐ長寿を誇るボンブラ。
今年はPerfumeが素晴らしいアルバムを出したけれど、Perfumeには先鋭性を突き進む勇気を、
対するボンブラには活動を継続する強い意志を各々感じさせてくれた。
それにしても、良い詞と曲があって、歌と演奏をしっかりやって良い楽曲を地道に作っていく「真っ当な」姿勢が
なかなか報われない(本シングルでの歌番組出演ゼロ!)という現状はもう少し何とかならないものか。
すごく古いけど、このグループがPANTA&HALの「マラッカ」や「つれなのふりや」をカヴァーしたら面白いな、とか考えてしまった。