73年発表の2nd。VDGG解散中に発表されたソロ第二弾。本作では、70年にグループを脱退したニック・ポッターを含むVDGGのメンバー全員が参加しており、ハミル色の強い実質的なグループの作品としても見てよいかもしれない。
1.はアコギをベースとしたシンガソングライター風の曲ながら印象的なメロディを持った佳曲。それでいてVDGG的な雰囲気が感じられるのは、ハミル=VDGGという揺るぎない事実を裏付けているかのようだ。じわじわと盛り上がって来る中盤までの流れも素晴しい。2.は純粋なアコギによるシンガソングライター風の弾き語り。二声のハーモニーが味わい深い。3.はシャープなエレクトリック・ギターにサックスが絡むVDGGそのままの曲。基本はギター・レスだったグループには異色とも言えるかもしれないが、ハード・ロックそのままの重量感は聞き応えは十分。この時期の代表曲の一つと言えるだろう。4.はピアノの弾き語り。これだけシンプルでもVDGGのカラーは濃厚である。5.はアコギの弾き語りにフルートが絡む。8.のエネルギーの放出はグループの作品以上かも。こちらもこの時期の代表曲の一つだろう。
アレンジは弾き語りをベースにしており、シンプルなものに徹している印象。もっともVDGGについてもベースは弾き語りであり、そういう意味においても本作は装飾を振り落としたVDGGと見ても良いのかもしれない。もっとも大半の曲に見られるアコギの弾き語りはあまりにも自然だが、グループでの鍵盤中心のものとは違うのは確かである。そんな中で3.や8.のようなハードなナンバーが光っている。