2006年、Moby・初のベスト盤です。
ネットで見ると、収録曲が異なるもの(バージョン違い)や、
DVD付、CD2枚組、CD2枚組 & DVDなど様々なものがあるようですが、
レビューは、日本盤1枚ものを対象とします。
選曲は、下記のとおり。
tr. 7 / from 1st「Moby」(1992)
tr. 13 / from EP「Move」(1993)
tr. 11 / from 3rd「Everythng is Wrong」(1995)
tr. 6 / from O.S.T.「007 / Tomorrow Never Dies」(1994), 「I Like to Score」(1997)
tr. 1,3,5,9,14 / from 5th「Play」(1999)
tr. 4,10,12 / from 6th「18」(2002)
tr. 2,15 / from 7th「Hotel」(2005)
tr.8は、このベスト盤のために用意された新曲で、VoはBLONDIEのDebbie Harry。
アップテンポでかなりPop、元気の出る1曲です。
tr.15は、オリジナルと異なるMylene Farmerとのデュエットヴァージョンで、
楽曲自体も、オリジナルよりダンス色の強いトラックに変わってます。
あと、レアというほどではありませんが、007のtr. 6が入っているのは嬉しいところです。
このベスト盤を聴くと、
Mobyが、テクノ、レイヴ、ダンスetcといった、一見、無機質と捉えられがちな音楽に、
ブルージー、ソウルフルといった非常に人間的で濃密な要素を、
どんどんクロスオーヴァーさせていったのがよく分かります。
全体的に、クッキリした楽曲、分かりやすい楽曲が集められているので、
初めてMobyを聴く人や、たまにMobyを聴きたくなる”にわかファン”にピッタリです。
ただ、分かりやすさ故に、飽きが来やすいとも感じます。
で、飽きてきた頃に、他の楽曲と入れ替わるように浮かび上がってくるのは、
淡い印象の(3) “Porcelain”ではないかと。
オリジナルアルバムには、こういう穏やかでアクのないアンビエントタイプの曲も入っているので、
更に発掘したい人は、オリジナルアルバムに手を伸ばしていくといいでしょう。