発売から10年以上経ったゲームだが、三國志の真髄をみたいならこの作品をオススメする!
オススメポイント…登場人物の描写が良い!
三國志と言えば、多彩な顔触れの登場人物が織りなす興亡の歴史…この言葉に尽きる。
このゲームは、三國志の肝である登場人物の描写に力を入れた名作である。
このゲームに登場する人物の総数…なんと520人!
そして、十人十色の言葉があるように、一人一人が違う能力を持ち、違う夢を持っている。
夢は11種類あり、それぞれ、好きな仕事・嫌いな仕事が設定されている。
プレイヤーは君主となって、中国統一だけでなく、彼らに慕われる人物を目指すのだ。
ちなみにこのゲームには安易に忠誠度を上げられるコマンドが存在しない。
唯一あるのがアイテムの授与だが、アイテム数は限られている上に入手困難だ。
これを不便と思う人もいるだろうが、人事のリアリティを考えるなら当然の判断だ。
私は、以前のシリーズにある、金や名馬を贈るコマンドの存在に疑問を抱いていた。
金や名馬を、特定の部下に頻繁に送れば、他の部下の反感を買うからだ。
これではより良き国づくりなど夢のまた夢だろう。
上の人間が下の人間に信頼されるには、正しい人事こそが必要だ。
どんな人間でも、嫌な仕事を押し付けられると不満がたまるし、
好きな仕事を任されると、俄然やる気が出て働く喜びを感じるに違いない。
そうやって、人材の能力を見極め、適材適所の人事をすることにより、配下の不満を抑える。
そして、確固たる信頼関係を築くのがこのゲームの重要なテーマなのだ。
もう一つ、特筆したいのが人物の能力が成長&衰退するシステム!
人間誰しも能力は違うもので、なおかつ『旬』と言える時期すらも千差万別と言えよう。
それを如実に表現しているのがこのゲームの優れた点だ!
どの人物も、成人して社会に出たばかりでは、どの能力も揃って低い。
だが、年を重ねるごとに成長し、そして衰退していく。
ある者は若くして真の実力を開花させ、ある者はゆっくり着実に力をつけて晩年に大成する。
そして、能力を維持できる期間が、長い人物と短い人物も存在するのだ。
この成長タイプは5種類あり、人物の個性づけに一役も二役も買っている。
上記の他に、個人差が激しい寿命の概念が加わり、君主は人材管理に没頭することになる。
悩みつつも楽しむ、これこそがこのゲームの醍醐味なのだ。
他のオススメポイントをまとめて紹介しよう。
・異民族勢力、兵科の存在
中国の周りには異民族が存在し、ゲームが進めば彼らを討伐して強兵を雇える。
ちなみに三国時代を終焉させた『西晋』の滅亡原因の一つに、
雇用していた異民族兵の反乱が挙げられる。
再現してみるのも一興だろう。
・戦闘が3日おきのセミオート
一日一日指示を出すのではなく、敵の出方を予想した指示を出さなければならない。
戦略性が高まって面白かった。
・勢力圏の金、食糧管理が一括決算
都市一つ一つに金、食糧が存在しているのではなく、一括管理しているので輸送入らず。
商人を利用して合算決済をしていると考えれば納得できるのでリアリティはある。(かも)
最後に一言。
『人が生きるからこそ歴史が作られる』
その言葉を実感出来るこのゲームを、生きとし生けるすべての人たちにお勧めいたします。