この2ヶ月で随分知名度を上げた中村中の3枚目のシングルだが、
前作「友達の詩」から入った人は、面食らうかもしれない。
切なくて物悲しいメロディを伸びのある声で歌う前作から一転して、
前向きな歌詞を力強く歌い上げる、元気のある曲になっている。
前作ともデビュー曲である「汚れた下着」とも違う雰囲気だから、
一瞬、本当にあの「友達の詩」と同じ歌手なのかとさえ思わされる。
それほどまでに前作とは違う雰囲気の曲であり、歌声である。
だが、その歌詞は、やはり中村中のものだ。
聞けば聞くほど、読めば読むほど、彼女の言葉が心に届く。
彼女の生き抜いてきた人生を、その強さを垣間見ずにはいられない。
前2作より中村中自身の表情や動きの豊かなPVや、
歌謡曲の影響を色濃く残すカップリング曲「部屋の片隅」もあわせて、
彼女の新たな魅力を教えてくれる一枚である。