二つの組曲とカヴァー曲集によるトリコロ-ル。鬼才菊地成孔率いる、現代音楽とラテンラウンジを繋ぐストレンジ・オーケストラ「ペペ・トルメント・アスカラール」による「熱病を巡る爛れた交響楽。
UAとのコラボレーション『cure jazz』、モロッコへの取材旅行を経て遂に完成した菊地成孔のエキゾチック・ジャズ作品は、「菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール」名義の2枚組。2005年5月にリリースされた傑作『南米のエリザベス・テイラー』のステージアクト用に結成された、バンドネオン、ハープ、弦楽四重奏団にツイン・パーカッションという特異な12人編成のストレンジ・オーケストラ「菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール」。本作では、コンサートのレパートリーを中心に、菊地とアレンジャー中島ノブユキがそれぞれ作曲した2つの組曲、ミッシェル・ルグランによるJ.Lゴダールの映画音楽「はなればなれに」、細野晴臣の『ファム・ファタール』(YMO結成の前に発表した細野晴臣&イエロー・マジック・バンド名義のソロ作品『はらいそ』に収録)、後期ウェザーリポートの名曲『プラザ・レアル』などを収録。本作のテーマともなった「熱病」について記述した長文のライナーノーツ付。
【アーティストについて】
63年6月14日、千葉県出身。音楽家、文筆家、音楽講師。アバンギャルド・ジャズから、クラブシーンを熱狂させるダンス・ミュージックまでをカバーする鬼才。84年プロデビュー後、山下洋輔グループなどを経て、「デートコース・ペンタゴン・ロイヤルガーデン」「スパンクハッピー」といったプロジェクトを立ち 上げるも、04年にジャズ回帰宣言をし、ソロ・アルバム「デギュスタシオン・ア・ジャズ」、「南米のエリザベス・テイラー」を発表。初の映画音楽監督作品となる『大停電の夜に』のサントラ盤も発売中。 06年7月19日にはUA×菊地成孔名義でスタンダード・ジャズ・アルバム『cure jazz』、06年9月には映画『パビリオン山椒魚』のサウンドトラックも発表し、精力的な活動を続けている。
■菊地成孔official website PELISSE www.kikuchinaruyoshi.com