荒野の用心棒 完全版 スペシャル・エディション [DVD]

このレビューは、「荒野の用心棒　完全版　製作50周年Blu-rayコレクターズ・エディション」のレビューです。★★追記：レビュー４　2022年にも４Ｋレストア盤が発売されました。北米では、４Ｋ－ＵＨＤ発売に合わせて新たなレストア盤が発売されました。★追記：レビュー３　４Ｋレストア盤と比較！２０１９年２月。輸入盤の４Ｋレストア版を購入したので、日本盤、輸入盤、４Ｋレストア盤（輸入盤）の３枚を比較してみました。まず大きな違いは画角違い。いわゆるトリミングの仕方が違っています。輸入盤はトリミング量が多く（上下左右のカットが多く）、画面の情報量が他の２枚と比べて少ないのが特徴です。しかし、その分画面が拡大されている関係で被写体が大きいという特徴があります。それに対して日本盤は、フィルムのギリギリの部分までソフト化しているせいか、左右上下の情報量が一番多いのが特徴です。そして４Ｋレストア盤ですが、輸入盤と日本盤の中間と言った感じ。感じとしては、日本盤に近いイメージですが多少ながら上下左右のカットが多く情報量が少なめです。もともと輸入盤なので、同じような感じでトリミングしたのではないでしょうか？次に色合いから言うと、輸入盤は少し色が薄く感じる青味がかった色合いですが、自然に見える感じです。白が一番白らしく見える感じの画質で、明るさも３枚の中で一番明るく見え、暗い部分も結構確認できる感じがします。それに対して日本盤は、色が少し濃く若干赤味が強い感じの画質ですが、大画面テレビで見るとやはり自然な感じがする画質です。若干画面が暗く感じますが、肌の日焼け感が伝わって来るような画質です。そして４Ｋレストア盤は、他の４Ｋレストア盤のソフトに見られるような若干黄ばんだ感じの色合いです。ただしこの黄ばんだ感じは、小さい画面では感じられても大画面ではあまり目立ちません。空の色で例えると、輸入盤は青味がかった色合いから青々とした青空で、日本盤は赤味が強い分若干紫がかった空。４Ｋレストア盤は乾ききった砂混じりの黄砂の空のような感じです。また暗い画面では４Ｋレストアらしく３枚の中では一番キレイでハッキリした画面に見えます。次に画質ですが、輸入盤は少しフィルム・グレイン（フィルムの粒子）が目立つ感じでザラついた感じの画面です。それに対して日本盤はザラついた感じはなく拡大してもあまりフィルム感を感じない画質です。そして４Ｋレストア盤は、輸入盤や日本盤では表現しきれない細かなディテールがわかる画質で、暗い画面でも被写体がハッキリわかる画質で、流石４Ｋレストアと言った感じがします。この細かさが画質をキレイに感じさせる要因ではないでしょうか？とにかく画質の好みには十人十色で、人それぞれです。この映画のファンならば、４Ｋレストア盤も輸入盤も購入しない手はありません。買って良かったと自分は後悔していません。ただし輸入盤なので字幕や吹き替えはありませんが････。また４Ｋレストア盤には結構豊富な特典映像もあり満足の行く内容です。４Ｋレストア盤は「続・夕陽のガンマン」を第一弾として、この「荒野の用心棒」が第２弾。そして「夕陽のガンマン」が第３弾として２０１９年３月に発売予定です。当然、予約注文しておりますが、とにかく楽しみです。★追記：レビュー２　見たので追記します！届いてから時間が経ってしまいましたが、見たので再レビューします。なんと言っても高画質なのは間違いありません。本当に綺麗です。キレイと言っても６０年代のテクニスコープによる撮影です。これが限界に近いほどの出来だと思います。テクニスコープとはアスペクト比が１×２．３５で、当時マカロニ・ウェスタン全盛期の頃、大量に作られたマカロニ作品等にイタリアで多く用いられた方式です。ビスタビジョンとは反対の方法で、スタンダードサイズのフィルムの１コマの縦方向を中央から半分に分けて２コマにして撮影したものを、アナモフィックレンズを使って圧縮してプリントし、上映時には再び横に拡大して映写するという方法で、スタンダード１コマ分に横長のシネマスコープサイズ２コマを撮影できると言うことで、フィルムの消費面では経済的な方法です。ただし、粒子（フィルム・グレイン）が荒く、綺麗な画質を望めない状況にあったのは事実です。映画館での一時的な鑑賞には良かったかも知れませんが、この現代の高画質化時代には、かなり不向きな作品と言って良いかも知れません。ただし、荒野というマカロニ・ウェスタンの雰囲気には向いていたのかも知れませんネ。このことについては特典映像にもフィルム修復作業が見られますので是非見て下さい。そこで今回は輸入盤と比較してみました。今回の画質の方が上です。ハッキリ言ってそんな大きな差はありませんが、おそらくフィルム・グレインの目立ち方に差があるようです。オープニングタイトルの白文字にその差が出ていました。今回のマスターの方が白く綺麗に見えます。赤い部分も赤々としています。映画全体的にも、見易い画質になっていました。輸入盤もかなりの画質です。普通の人が見ればその差は殆どわからないほどだと思います。ＢＵＴ！しかし！今回のソフトはイタリア語のタイトルです。ファンであれば英語タイトルも捨てがたいところですネ。と言うことで、私は輸入盤を買って損はしなかったと思っています。輸入盤は、これはこれで価値あるものだと思いました。本当にこの映画のファンだと自負する人は、輸入盤も買ってコレクションしなければなりませんネ。また特典映像も、今回追加された項目と過去のＤＶＤに収録された特典映像が分かりやすいように、最初に追加映像のメニュー・ページになっており、ＤＶＤと同じ内容は別ページのメニューになっている点は素晴らしかったです。てんこ盛りの特典映像の内容にはご馳走様でしたと言いたくなるほど良かったです。特に今回追加された、フィルム修復作業とＮＧとメイキング映像は最高でした。こいつには涙ちょちょ切れモンでした。まさに感動！と言う訳で買って損はしないブルーレイだと思います。★追記：レビュー１　ついに来た！待ちに待った荒野の用心棒のブルーレイ！いままで出たこの映画のソフトをすべて購入してきた自分にとって最高の喜び！もちろん、即予約しました！２０１４年８月現在では、輸入盤でしか見られない高画質が、いよいよ字幕入りで見られるのはマカロニ・ファンにとっては堪らない出来事です。そして喜ぶべきことは夕陽のガンマンや続・夕陽のガンマンと同様に、吹き替えで未収録だった部分を新録で補った日本語完声版が収録されるということ。生きていて良かったと実感した瞬間です。少し大げさかな？でもそれぐらい待ちに待ったということです。唯一残念なのは、せっかくの５０周年盤なので、他のレビュアーさんも書いていましたが、存在する他の声優さんの吹き替えも入れて欲しかった。しかし、故・山田康雄さんのイメージが強いクリント・イーストウッドですから、この際関係ないと言うところでしょうか？輸入盤のブルーレイに関しては既にレビューしておきましたが、とにかく楽しみなことにはかわりありません。オープニング・タイトルが終わったところで出て来る馬の足下にある地面の石ころ一つ一つがハッキリ見える高画質でした。アジア地域の権利を黒澤プロダクションが所有しているということで、初ＤＶＤはカット版でガッカリ。その後、完全版が発売になり画質の良さと吹き替えが入って大満足していましたが、今回は更にその上を行きそうです。しかしこうなってくると初ＤＶＤも貴重になってきますね！とにかくまたコレクションが増えていきますね。この映画のファンでなくても、映画ファンなら黒澤　明監督の「用心棒」と是非買い揃えておくべきコレクションの１枚ではないでしょうか？もとより、この映画のファンなら必ず買うべき１枚だと思います。