魚喃キリコの同名コミックを原作に、『三月のライオン』などの矢崎仁司監督が現代を生きる4人の女性の姿を描いた佳作。大失恋を経てデリヘルの電話番を務める里子(池脇千鶴)、そのデリヘルで働いている秋代(中村優子)、一方イラストレイターの塔子(岩瀬塔子)と、その同居人で結婚願望の強いOLのちひろ(中越典子)。それぞれの愛や仕事、友情などに対する姿勢の違いなどが切なくも興味深い。観る人によって共感や反感、それぞれ抱かれそうなヒロインたちではあるが、監督のキャメラアイそのものは全てに対して等しく優しいのもいい。ただし、皆、心の弱さというよりも、どこかまだ大人になりきれていないような頼りなさ感を抱いてしまったのは、観ているこちらが既にトウの立った世代だからだろうか。(増當竜也)
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