本書が発行された1967年というのは黒川紀章氏が33歳のときであり、同年寒河江市役所、山形ハワイドリームランドが竣工しているが、まだ氏の実作が生まれつつある時期である。しかし本書に書かれた彼の示された方針が、彼の遺作である国立新美術館まで貫かれているのが驚きである。建築家の文章は宣言のみに終わることが多い中、彼の数々の著作がしっかりと実作に反映されているのがこんな初期の頃から現れているのは、このような点でも彼が建築界で異端児といわれる所以だと感じる。
タイトルの意味は建築が成長するというメタボリズムの思想に通底するものだが、「成長」ではなく「行動」としているのはより積極的な意味をもたせるとともに、黒川氏自身の「行動」にもかかっていると思われる。
建築だけでなくチームテンの国際会議への参加のも関連した都市計画についての記述も多く、コミュニケーションとしての場である「道」や二進法の発想からのT字路の交通システムについて言及している。これも執筆当時既に菱野団地の都市計画の仕事に携わっていたことからして、ここでも氏の理論と行動の整合性が見て取れる。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
行動建築論―メタボリズムの美学 (1979年) -
この商品を見た後に買っているのは?
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4.6つ
5つのうち4.6つ
6グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。