1975
歎異抄とマタイ伝からの引用をならべ、
「このふたつは、わたしの知見の及ぶかぎりでは、人間の倫理を極限まで追いつめて、その崩壊のすがたを露出させているという意味で、人類史がうみだしたもっとも優れた言葉に属している。」
というところにキュン死した。
マタイのほうはどこが優れてるのか分からんが、歎異抄は説得的。
その他、バタイユ、ブランショ、ヘンリーミラー、ヘルダーリン、ユングを取り上げている。
ヘルダーリンは詩人やから素晴らしく分析してくれるやろと思ったけど、引用部分はピンと来ないし、ヘーゲルやハイデガーを持ち出してきてようわからんことになってる。
だいたいヘーゲルとハイデガーがからむとロクなことにはならんのや。
それはともかく、外国の文学、思想にできる限り肉迫しようとする心意気やよし、達成度もかなりなものがあるようだ。
よし、二年後に読みなおそう。
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書物の解体学 (1981年) (中公文庫) 文庫
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年5月12日に日本でレビュー済み
2020年9月19日に日本でレビュー済み
何度かその著作を手に取って読んだが、思想界の巨人とか、ある世代にとっての教祖とか、
まったく思えなかった。
今回は取り上げられている思想家・文学者の名前に惹かれて読んでみた。ヘンリー・ミラー、
ジャン・ジュネ、ロートレアモン、バタイユ、ブランショ、ヘルダーリン、ユングときたら、
とりあえず目を通しても損はしないだろうと思った。
読んでみると、冗長で、浅く、独りよがりの文章と考察が続いていく。自分にとって重要な
作家たちについて論じられてはいるが、核心部分に触れていないので、この著者はどこを
見ているのだろうと思うのみ。自分が考えていることに酔い、文章を書いていることに高揚
しているだけ。読んでいて、あまりにつまらなく、退屈で不毛なので、自動的にそうではない
小林秀雄の文章が、頭に浮かんでくるほど。
ユングのところでは、ユングの生涯の中で有名な「塔を建てる」逸話に触れ、「誰でも四年目
くらいには、家屋の模様がえくらいのことは考えたくなるし、三棟の家屋より、四棟の方が
統一した構造を与えやすい」などと陳腐極まる自説を書いている。こんなことをどこかの学生が述べたら、
返す言葉も失い、失笑すらされない。吉本隆明が言ったら、立派な言説になるのか。
これでは、単なる裸の王様。この人が語ることで、語られる対象が矮小化してしまう。充実度低い読書。
まったく思えなかった。
今回は取り上げられている思想家・文学者の名前に惹かれて読んでみた。ヘンリー・ミラー、
ジャン・ジュネ、ロートレアモン、バタイユ、ブランショ、ヘルダーリン、ユングときたら、
とりあえず目を通しても損はしないだろうと思った。
読んでみると、冗長で、浅く、独りよがりの文章と考察が続いていく。自分にとって重要な
作家たちについて論じられてはいるが、核心部分に触れていないので、この著者はどこを
見ているのだろうと思うのみ。自分が考えていることに酔い、文章を書いていることに高揚
しているだけ。読んでいて、あまりにつまらなく、退屈で不毛なので、自動的にそうではない
小林秀雄の文章が、頭に浮かんでくるほど。
ユングのところでは、ユングの生涯の中で有名な「塔を建てる」逸話に触れ、「誰でも四年目
くらいには、家屋の模様がえくらいのことは考えたくなるし、三棟の家屋より、四棟の方が
統一した構造を与えやすい」などと陳腐極まる自説を書いている。こんなことをどこかの学生が述べたら、
返す言葉も失い、失笑すらされない。吉本隆明が言ったら、立派な言説になるのか。
これでは、単なる裸の王様。この人が語ることで、語られる対象が矮小化してしまう。充実度低い読書。
2013年1月3日に日本でレビュー済み
当時流行ったバシュラール、ユング、バタイユ、ジュネ、ロートレアモン、
ヘンリーミラーを借りて語った吉本の言語世界がよみがえります。
若き吉本の言葉は未だ熟成中、膨らんでゆきます。
平成がうすっぺらになった故かもしれません。
ヘンリーミラーを借りて語った吉本の言語世界がよみがえります。
若き吉本の言葉は未だ熟成中、膨らんでゆきます。
平成がうすっぺらになった故かもしれません。