「オイディプス王」の続編とも言える作品です。
前作で、オイディプスは確かに父を殺し、母を妻としました。
しかし、それは自分でも知らずに運命に弄ばされたとも言えます。
不可避であり正当でもあったとも言えるのです。
ソポクレスは、そうした「因果応報」とは違った「運命」を、この作品で救っている様に思えます。
その意味では、この二作品はセットで読むべき作品な様に思えます。
娘に手を引かれて喜捨を求めるオイディプスですが、その精神はむしろ強靭になった様に思えます。
自らを祖国から追い出した息子との対面でも、その否を伝えるのですが、息子にその意思は通じません。
その結果は、この話以降に次なる「悲劇」を生むことになるのですが・・・。
それにしても、「家族」「親族」の意味を考えさせられてしまいます。
関係が近ければ近いほどその憎悪は厳しいものになると言うことでしょうか。
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コロノスのオイディプス (1973年) (岩波文庫) 文庫 – 1973/4/16
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登録情報
- ASIN : B000J94VMK
- 発売日 : 1973/4/16
- 言語 : 英語
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,870,234位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 309,061位文庫
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2023年3月15日に日本でレビュー済み
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〇 両眼を自ら潰し自身の国を追われて諸国を放浪する主人公のオイディプスが登場する冒頭から、悲劇的な空気が支配している。その主人公の死によって幕となるこの劇は、それではひたすら胸が痛むばかりの物語であるかというと決してそうではない。コロノス王の理解を得てここの人々に受け入れられ、自らが望むような形の死を遂げることができたオイディプスは、多難な生涯の最後でようやく救われたのだとさえ思える。
〇 わたしはこの作品をとても面白く読んだ。ただそうしながらも感じていたことは、これは『オイディプス王』と『アンティゴネー』の間のエピソードとしての面白さであり、劇としての完成度や自己完結性はこの両作にはるかに及ばないということであった。突き詰めればこの作の主たる悲劇はオイディプスとその息子たちや義弟との諍いに由来している。主人公が運命に翻弄され法との板挟みで苦しむ両作と比べると悲劇の柄もずいぶんと小さいように思う。かつては高貴高潔であったオイディプス王が、本作では愚痴っぽく癇癪を起す老人になっているのも少々残念に思った。
〇 翻訳は明晰で格調高い。とても気持ちよく読めた。活字は特に大きいわけではないが、新品を買ったせいか紙質がよく印刷も鮮明で読みやすかった。
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〇 翻訳は明晰で格調高い。とても気持ちよく読めた。活字は特に大きいわけではないが、新品を買ったせいか紙質がよく印刷も鮮明で読みやすかった。