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コメント: 【函(焼け・汚れ有)付】S44.1.20第1刷発行。経年なりに良いです。天小口に焼け、表紙・裏表紙に焼け、全体に汚れ・擦れなどがあります。古書をご理解いただいた上お買い求めください。 Amazon専用在庫です。ご注文後、「ゆうメール」にてすぐに発送いたしますのでよろしくお願いいたします。
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厳密な学としての哲学 (1969年) 単行本

4.5 5つ星のうち4.5 2個の評価

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    4.5 5つ星のうち4.5 2個の評価

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フッサールの苦悩
4 星
フッサールの苦悩
 この書物は、1911年フッサールも編集委員を務めた「ロゴス」誌の創刊号に掲載されたものだ。創刊号に相応しく、フッサールの溌剌とした決意が漲っている。 冒頭「訳者のことば」として、翻訳の佐竹氏が、この書物の位置づけについて述べておられる。要点を押さえた優れたものだが、誤解を招くようなところがあるので、補足しておく。この書物の後に「現象学の理念」がある、と読み取られるかもしれないが、時期的には「現象学の理念」の方が先である。即ち、「現象学の理念」講義で公表できる程に、己の研究の方法と目標をはっきりと見定めることができたフッサールがいて、この書物がある。 「論理学研究」から「現象学の理念」迄のフッサールは、迷い、悩み、苦しんだらしい。その苦しみの中で、ハルテンシュタイン編でカントを紐解く日々を過ごしたらしい。私はこの書物を読みながら、その苦しみはどんなものだったのだろうかと考えたのだった。 自然主義哲学(特に心理学的認識論)、歴史主義・世界観哲学が、原理的に抱え込んでいる懐疑主義、相対主義を露にし、その批判を通して、理性主義が持つ意義を明らかにし、理性主義を完成させるために歩むべき道を指し示す、それがこの書物であり、フッサールの語り口は、自信に満ち溢れているが、そこから逆にフッサールの迷いや悩みがどんなものだったのかが、見えてくる。 フッサールを苦悩させたのは、自然主義ではなく、歴史主義・世界観哲学の持つ相対主義ではなかったのかと思う。どんなに優れた頭脳が、どれほどの真摯さを持って取組んでみても、結局は博物館に飾られた標本となってしまい、せいぜいのところ、その時代における妥当性しか持ち得なかった中で、本当に「厳密な学」を、時代を超えて妥当する哲学を、この自分が、譬えそれが、ほんの始まりの部分であるにせよ、打ち立てることができるのか。そのような苦悩だったと思う。それは理性的に生きようとするフッサールにとって、大げさでなく、死活問題だったと思う。「厳密な学」がなければ、その可能性でもなければ、理性を導きとして生きるということは、幻に過ぎないものとなるだろう。 この書物に対する私の評価は、星4つである。僭越至極であることは、充分承知の上で敢えて言うが、翻訳の正確さに首を傾げるところがあるからである。
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上位レビュー、対象国: 日本

2009年5月3日に日本でレビュー済み
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5つ星のうち4.0 フッサールの苦悩
2009年5月3日に日本でレビュー済み
 この書物は、1911年フッサールも編集委員を務めた「ロゴス」誌の創刊号に掲載されたものだ。創刊号に相応しく、フッサールの溌剌とした決意が漲っている。
 冒頭「訳者のことば」として、翻訳の佐竹氏が、この書物の位置づけについて述べておられる。要点を押さえた優れたものだが、誤解を招くようなところがあるので、補足しておく。この書物の後に「現象学の理念」がある、と読み取られるかもしれないが、時期的には「現象学の理念」の方が先である。即ち、「現象学の理念」講義で公表できる程に、己の研究の方法と目標をはっきりと見定めることができたフッサールがいて、この書物がある。
 「論理学研究」から「現象学の理念」迄のフッサールは、迷い、悩み、苦しんだらしい。その苦しみの中で、ハルテンシュタイン編でカントを紐解く日々を過ごしたらしい。私はこの書物を読みながら、その苦しみはどんなものだったのだろうかと考えたのだった。
 自然主義哲学(特に心理学的認識論)、歴史主義・世界観哲学が、原理的に抱え込んでいる懐疑主義、相対主義を露にし、その批判を通して、理性主義が持つ意義を明らかにし、理性主義を完成させるために歩むべき道を指し示す、それがこの書物であり、フッサールの語り口は、自信に満ち溢れているが、そこから逆にフッサールの迷いや悩みがどんなものだったのかが、見えてくる。
 フッサールを苦悩させたのは、自然主義ではなく、歴史主義・世界観哲学の持つ相対主義ではなかったのかと思う。どんなに優れた頭脳が、どれほどの真摯さを持って取組んでみても、結局は博物館に飾られた標本となってしまい、せいぜいのところ、その時代における妥当性しか持ち得なかった中で、本当に「厳密な学」を、時代を超えて妥当する哲学を、この自分が、譬えそれが、ほんの始まりの部分であるにせよ、打ち立てることができるのか。そのような苦悩だったと思う。それは理性的に生きようとするフッサールにとって、大げさでなく、死活問題だったと思う。「厳密な学」がなければ、その可能性でもなければ、理性を導きとして生きるということは、幻に過ぎないものとなるだろう。
 この書物に対する私の評価は、星4つである。僭越至極であることは、充分承知の上で敢えて言うが、翻訳の正確さに首を傾げるところがあるからである。
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13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2008年3月21日に日本でレビュー済み
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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