無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
花々と星々と (1974年) 単行本 – 1974/6/10
花々と星々と (1974年) 犬養道子自伝
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- ASIN : B000J9GL28
- 発売日 : 1974/6/10
- 単行本 : 320ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 930,483位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 680位歴史人物評伝
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2022年9月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
セドドイドときみしぐれは笑えます。515事件を書いた本だけど、おばぁちゃんが凄い!笑えます。
2013年8月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私の永遠の愛読書といったら、何といっても、この本です。
今まで何回読んだことだろう。その度に、感動で心が震えてしまう場面がいっぱいある。
概して映画に関しても言えることだが、同じ作品を目にするとき、年をとるごとに感じる部分が変わってくる。
この本も、若いときは、主人公の「みっちゃん」の生き生きとした女の子像に純粋に惹かれていたが、私自身が母となり、私の母が老いていくに従い、読むときの視点がだんだんそちらにシフトしていって、みっちゃんのお母さんのことを思ったり、みっちゃんのおじいさんの立場で読んだり、感じ方も色々。
だから、読むたびに新しい発見と感動があって、いつまでも飽きるということがない。
この本は、犬養さん自身の自伝といえる作品。
犬養毅を祖父に持ち、維新の立役者、後藤象二郎を母方の曾祖父に、長与善郎などの長与一族や、岩崎財閥とも姻戚関係にあった、そんな特異な環境の中で、自由と個性をとりわけ愛していた白樺派作家の父・犬養健や若く純粋な母・仲子に思い切り愛されて育ったみっちゃんの子供時代が、生き生きとした筆致で描かれている。
武者小路実篤も、みっちゃんからは「むしゃさん」と呼ばれ、あの川端康成も、目のぎょっろとした若者と描写される。
岸田劉生の絵に出てくる「麗子」さんも、みっちゃんの生活の中には「普通に」登場しちゃったりするんである。
他にも、祖父犬養首相と孫文のエピソードまで登場する。
まさに日本の歴史をその目でみつめながら生きていた、一人の聡明な少女の人生の断片がそこに浮き彫りにされている。
この本が優れているのは、ひとつには、そうした日本史を飾るそうそうたる人物たちの意外な素顔やエピソードが犬養さんの知性あふれる文体で生き生きと活写されていること。これは日本の歴史の貴重な資料でもある。
と、もう1つは、この作品の主テーマともいうべきもので、「みっちゃん」というひとりの少女の存在そのものの素晴らしさ。
みっちゃんが自由に個性豊かに育った理由として、底抜けにユニークでフリーな精神にあふれていた彼女の両親の存在を抜きには語れない。
みっちゃんのぬいぐるみすべてに「人格」を与え、犬養家に来るまでのバックストーリーまで想定し、時に声色でさまざまなぬいぐるみを演じ分けて、即興のストーリーをみっちゃんの前で演じてみせる母と父。
同年代の子と遊ぶことなく、父の文学仲間たちの輪の中に入り、その空気を体いっぱいで吸収していったみっちゃん。
いつもお金がなかった彼らだけど、そこは全員、白樺派の良家の青年たち。
お金が落ちているかもしれないと、大晦日にお金を拾いに銀座まで繰り出すなど、そのおおらかさが何とも微笑ましい。
家には、時々、シュギシャと呼ばれる男たちや壮士という荒削りの一派が押し寄せ、金をせびることがあった。
そんなとき、父はいつの間にかどこかに雲隠れしてしまい、母ひとりが彼らを相手に、たとえ日本刀を突きつけられてもひるむことなく彼らと応戦し、威勢のいいたんかを切って、退散させてしまうのだ。
みっちゃんは、「アテになるのは女なのだ。男は強そうに見えるだけで、女の半分も強かァない」とこのときに悟ったのだった。
そんな、まさに花々と星々を愛でて、幸せな時間を過ごしていたみっちゃんの回りも、時代の変化とともに暗雲がたれこめてくる。
首相である父をサポートするために、小説家から政治家へと転身する父、それに反対した母。
その頃から、家庭はかつてのおおらかな笑いにあふれた場ではなくなっていく。
その有様を心を痛めながら見つめている少女は、しかし本来の聡明さを失うことなく、その変化もしっかりと心に刻みつけて、成長していくのだ。
そして5.15事件が起こり、祖父は凶弾に倒れ、母はその唯一の目撃者となる。
コロコロとよく笑い、明るかった母の人生は180度変転し、その後は、針のむしろのような辛い運命の下に置かれることになる。
かつて大邸宅に住んでいた母方のおばあちゃま(後藤象二郎の令嬢)も、詐欺にあい、晩年は貧困の中に暮らす。
人生は何が起こるかわからない。
まさに現在の日本も、そんな状況に置かれているわけだが、たとえどんなことが起ころうと、それまで生きてきた想い出が失われることはない。
みっちゃんにとっても、かつて花々と星々を愛でて、芸術と自由を愛し、おおらかに笑いあった人生の光り輝いた時代は、けっして色あせることはない。
彼女が生きた足跡を一緒に辿りながら、人間って素晴らしい、人生って美しい、と心から感動することができる。
心のピュア度が落ちてるなと感じたら、この本を読む。
そんな人生のよき友。
ちなみに、続編「ある歴史の娘」も必読です!
今まで何回読んだことだろう。その度に、感動で心が震えてしまう場面がいっぱいある。
概して映画に関しても言えることだが、同じ作品を目にするとき、年をとるごとに感じる部分が変わってくる。
この本も、若いときは、主人公の「みっちゃん」の生き生きとした女の子像に純粋に惹かれていたが、私自身が母となり、私の母が老いていくに従い、読むときの視点がだんだんそちらにシフトしていって、みっちゃんのお母さんのことを思ったり、みっちゃんのおじいさんの立場で読んだり、感じ方も色々。
だから、読むたびに新しい発見と感動があって、いつまでも飽きるということがない。
この本は、犬養さん自身の自伝といえる作品。
犬養毅を祖父に持ち、維新の立役者、後藤象二郎を母方の曾祖父に、長与善郎などの長与一族や、岩崎財閥とも姻戚関係にあった、そんな特異な環境の中で、自由と個性をとりわけ愛していた白樺派作家の父・犬養健や若く純粋な母・仲子に思い切り愛されて育ったみっちゃんの子供時代が、生き生きとした筆致で描かれている。
武者小路実篤も、みっちゃんからは「むしゃさん」と呼ばれ、あの川端康成も、目のぎょっろとした若者と描写される。
岸田劉生の絵に出てくる「麗子」さんも、みっちゃんの生活の中には「普通に」登場しちゃったりするんである。
他にも、祖父犬養首相と孫文のエピソードまで登場する。
まさに日本の歴史をその目でみつめながら生きていた、一人の聡明な少女の人生の断片がそこに浮き彫りにされている。
この本が優れているのは、ひとつには、そうした日本史を飾るそうそうたる人物たちの意外な素顔やエピソードが犬養さんの知性あふれる文体で生き生きと活写されていること。これは日本の歴史の貴重な資料でもある。
と、もう1つは、この作品の主テーマともいうべきもので、「みっちゃん」というひとりの少女の存在そのものの素晴らしさ。
みっちゃんが自由に個性豊かに育った理由として、底抜けにユニークでフリーな精神にあふれていた彼女の両親の存在を抜きには語れない。
みっちゃんのぬいぐるみすべてに「人格」を与え、犬養家に来るまでのバックストーリーまで想定し、時に声色でさまざまなぬいぐるみを演じ分けて、即興のストーリーをみっちゃんの前で演じてみせる母と父。
同年代の子と遊ぶことなく、父の文学仲間たちの輪の中に入り、その空気を体いっぱいで吸収していったみっちゃん。
いつもお金がなかった彼らだけど、そこは全員、白樺派の良家の青年たち。
お金が落ちているかもしれないと、大晦日にお金を拾いに銀座まで繰り出すなど、そのおおらかさが何とも微笑ましい。
家には、時々、シュギシャと呼ばれる男たちや壮士という荒削りの一派が押し寄せ、金をせびることがあった。
そんなとき、父はいつの間にかどこかに雲隠れしてしまい、母ひとりが彼らを相手に、たとえ日本刀を突きつけられてもひるむことなく彼らと応戦し、威勢のいいたんかを切って、退散させてしまうのだ。
みっちゃんは、「アテになるのは女なのだ。男は強そうに見えるだけで、女の半分も強かァない」とこのときに悟ったのだった。
そんな、まさに花々と星々を愛でて、幸せな時間を過ごしていたみっちゃんの回りも、時代の変化とともに暗雲がたれこめてくる。
首相である父をサポートするために、小説家から政治家へと転身する父、それに反対した母。
その頃から、家庭はかつてのおおらかな笑いにあふれた場ではなくなっていく。
その有様を心を痛めながら見つめている少女は、しかし本来の聡明さを失うことなく、その変化もしっかりと心に刻みつけて、成長していくのだ。
そして5.15事件が起こり、祖父は凶弾に倒れ、母はその唯一の目撃者となる。
コロコロとよく笑い、明るかった母の人生は180度変転し、その後は、針のむしろのような辛い運命の下に置かれることになる。
かつて大邸宅に住んでいた母方のおばあちゃま(後藤象二郎の令嬢)も、詐欺にあい、晩年は貧困の中に暮らす。
人生は何が起こるかわからない。
まさに現在の日本も、そんな状況に置かれているわけだが、たとえどんなことが起ころうと、それまで生きてきた想い出が失われることはない。
みっちゃんにとっても、かつて花々と星々を愛でて、芸術と自由を愛し、おおらかに笑いあった人生の光り輝いた時代は、けっして色あせることはない。
彼女が生きた足跡を一緒に辿りながら、人間って素晴らしい、人生って美しい、と心から感動することができる。
心のピュア度が落ちてるなと感じたら、この本を読む。
そんな人生のよき友。
ちなみに、続編「ある歴史の娘」も必読です!
2023年3月27日に日本でレビュー済み
著者の幼少期(3歳・1924年~11歳・1932年)の回想記。
身分や民族の違いにとらわれず、「ほんもの」を大事にする白樺派を中心とした芸術家たちの溜り場のようになっていた犬養家にも、右翼テロが横行する暗い時代が押し寄せてきて、ついに5.15事件でおじいさんの犬養毅首相が殺されてしまう、まさに怒涛の物語で、平和な時代に育った我々戦後世代には衝撃的である。
また、著者の家庭環境のすばらしさには心打たれる。
なお、親族関係が複雑で分かりにくいので、家系を整理してみた。
【犬養道子氏の家系】(本書と関係ない人は省略、●は直系子孫、◎はその配偶者)
*****(父方)*****
●犬飼源左衛門(庭瀬藩士)
●二男:犬養毅(つよし、号は木堂、1855.6.4~1932.5.15、総理大臣)「四ッ谷のお祖父ちゃま」
※毅の誕生日は旧暦では安政2年4月20日なので道子と同じになる
◎毅の妻:三田千代(三田仙之助の姉)「四ッ谷のお祖母ちゃま」
●毅と千代の長女:犬養操
◎操の夫:芳沢謙吉(外務大臣)
◎毅の愛人:斎藤仙「身を引いて表面から去っていった」
●毅と仙の長男:犬養彰(1888年生)「勘当廃嫡の身となって四国に送られた」
●毅・仙の二男:犬養健(たけし、1896.7.28生、1960.8.28死、作家~政治家)「パパ」、「実母にひきはなされ幼児のための寄宿舎に入れられた」
◎健の妻:長与仲子「ママ」
●健と仲子の長女:犬養道子(1921.4.20~2017.7.24、著者)
●健と仲子の長男:犬養康彦(1928.4.1~2015.7.12、共同通信社社長)「康ちゃん」
◎健の愛人:荻野昌子
*****(母方)*****
●長與專齋(1838.10.16~1902.9.8、医学者、男爵)
●專齋の長男:長與稱吉(1866.2.21~1910.9.5男爵)「ドクトル・メディツィーネお祖父ちゃま」
◎稱吉の妻:後藤延子(後藤象二郎と雪子の娘)「桜山のお祖母ちゃま」
※延子の「姉上は三菱創始の岩崎家に嫁いで」 … 岩崎弥太郎の妻の早苗のこと)
●稱吉の長女:長与美代子「美代子おばさま」
◎美代子の夫:斎藤博(1886.12.24~1939.2.26)「外交官である伯父」、「ひろしおじさま」
●稱吉の二女:長与仲子「ママ」
◎仲子の夫:犬養健「パパ」
●仲子の長女:犬養道子(1921.4.20~2017.7.24、著者)
●仲子の長男:犬養康彦(1928.4.1~2015.7.12、共同通信社社長)「康ちゃん」
●專齋の三男:長与又郎(1878~1941、医師~東京帝国大学総長、男爵)「又郎おじさま」
●專齋の四男:長与裕吉(=岩永祐吉1883.9.13~1939.9.2)「同盟通信をつくった裕吉おじさま」
◎裕吉の妻:岩永鈴子
●專齋の五男:長与善郎(1888.8.6~1961.10.29、作家)「善郎おじさま」
●專齋の長女:長与保子「松方正義の嫡男の松方巌公爵の妻」
●專齋の三女:長与道
◎道の夫:平山金蔵(日本医科大学理事)
●道の長男:平山次郎「病院を継ぐ」
なお、古本を購入する場合の注意点として、昭和48年以前の版には、5.15事件に関する章が含まれていないこと、また、文庫本には扇谷正三氏の解説がついていて、その文章が本書の続編「ある歴史の娘」に引用されていることもあって、結局文庫本を買うのが一番良い選択だと思う。
身分や民族の違いにとらわれず、「ほんもの」を大事にする白樺派を中心とした芸術家たちの溜り場のようになっていた犬養家にも、右翼テロが横行する暗い時代が押し寄せてきて、ついに5.15事件でおじいさんの犬養毅首相が殺されてしまう、まさに怒涛の物語で、平和な時代に育った我々戦後世代には衝撃的である。
また、著者の家庭環境のすばらしさには心打たれる。
なお、親族関係が複雑で分かりにくいので、家系を整理してみた。
【犬養道子氏の家系】(本書と関係ない人は省略、●は直系子孫、◎はその配偶者)
*****(父方)*****
●犬飼源左衛門(庭瀬藩士)
●二男:犬養毅(つよし、号は木堂、1855.6.4~1932.5.15、総理大臣)「四ッ谷のお祖父ちゃま」
※毅の誕生日は旧暦では安政2年4月20日なので道子と同じになる
◎毅の妻:三田千代(三田仙之助の姉)「四ッ谷のお祖母ちゃま」
●毅と千代の長女:犬養操
◎操の夫:芳沢謙吉(外務大臣)
◎毅の愛人:斎藤仙「身を引いて表面から去っていった」
●毅と仙の長男:犬養彰(1888年生)「勘当廃嫡の身となって四国に送られた」
●毅・仙の二男:犬養健(たけし、1896.7.28生、1960.8.28死、作家~政治家)「パパ」、「実母にひきはなされ幼児のための寄宿舎に入れられた」
◎健の妻:長与仲子「ママ」
●健と仲子の長女:犬養道子(1921.4.20~2017.7.24、著者)
●健と仲子の長男:犬養康彦(1928.4.1~2015.7.12、共同通信社社長)「康ちゃん」
◎健の愛人:荻野昌子
*****(母方)*****
●長與專齋(1838.10.16~1902.9.8、医学者、男爵)
●專齋の長男:長與稱吉(1866.2.21~1910.9.5男爵)「ドクトル・メディツィーネお祖父ちゃま」
◎稱吉の妻:後藤延子(後藤象二郎と雪子の娘)「桜山のお祖母ちゃま」
※延子の「姉上は三菱創始の岩崎家に嫁いで」 … 岩崎弥太郎の妻の早苗のこと)
●稱吉の長女:長与美代子「美代子おばさま」
◎美代子の夫:斎藤博(1886.12.24~1939.2.26)「外交官である伯父」、「ひろしおじさま」
●稱吉の二女:長与仲子「ママ」
◎仲子の夫:犬養健「パパ」
●仲子の長女:犬養道子(1921.4.20~2017.7.24、著者)
●仲子の長男:犬養康彦(1928.4.1~2015.7.12、共同通信社社長)「康ちゃん」
●專齋の三男:長与又郎(1878~1941、医師~東京帝国大学総長、男爵)「又郎おじさま」
●專齋の四男:長与裕吉(=岩永祐吉1883.9.13~1939.9.2)「同盟通信をつくった裕吉おじさま」
◎裕吉の妻:岩永鈴子
●專齋の五男:長与善郎(1888.8.6~1961.10.29、作家)「善郎おじさま」
●專齋の長女:長与保子「松方正義の嫡男の松方巌公爵の妻」
●專齋の三女:長与道
◎道の夫:平山金蔵(日本医科大学理事)
●道の長男:平山次郎「病院を継ぐ」
なお、古本を購入する場合の注意点として、昭和48年以前の版には、5.15事件に関する章が含まれていないこと、また、文庫本には扇谷正三氏の解説がついていて、その文章が本書の続編「ある歴史の娘」に引用されていることもあって、結局文庫本を買うのが一番良い選択だと思う。
2020年5月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
単行本との記載で購入したのですが、文庫本でした。
同著者の、素敵な装丁の単行本を他にも持っており、
同様のものを想像していたのですが…。
文庫本だったら買わなかったと思います。残念です。
同著者の、素敵な装丁の単行本を他にも持っており、
同様のものを想像していたのですが…。
文庫本だったら買わなかったと思います。残念です。
2020年4月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者と祖父の犬養毅ら家族の関係が的確に描かれていた。
2014年10月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昔読みましたが、もう一度読みたく購入しました。
やはり、あの時代の人は凄いです。
考えかたも努力の仕方も素晴らしいです。
やはり、あの時代の人は凄いです。
考えかたも努力の仕方も素晴らしいです。
2014年11月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
物心ついたときから満蒙は日本の生命線だと信じ込まされていましたが、他の道もあったことをしりました。冷や汗をかきました。
2012年3月11日に日本でレビュー済み
ある喫茶店の本棚にあったこの本を手にとったのが最初の出会い。
楽譜と装飾体の英字でデザインされた表紙の装丁に魅かれ、表題の美しい響きに魅かれた。
だから、犬養道子さんがどういった人か、読み始めた時点では全く知らなかった。
14編の短編からなり、最初の1編は「陶器の人形」という題。
6歳の女の子にとって一番の大仕事は、毎年のクリスマスに1人ずつ増えていく友達、
すなわち人形に、両親に手伝ってもらいながら、名前を付け、性格付けをすること。
ある日、外国から陶器製の女の子の人形が贈られてきた。
女の子はすでに友達となったぬいぐるみ達と同様、名前を付け性格付けしようとしたのに
両親はその陶器の人形だけは女の子から遠ざけた。
遠ざけられたら余計に近づきたい。
それで女の子は陶器の人形が置かれたピアノの上に手を伸ばすけど、陶器の人形は手を滑って・・という話。
陶器の鮮やかな色彩と光沢。それが粉々になった姿。現状を理解するには女の子は幼すぎた。
でも女の子はひらめく。ある日女中が柱時計の針をひょいっと後ろに戻してた。
同じように時間をひょいっと戻したら、陶器の人形の姿も、自分の失敗も、元にもどるのでは・・
これを読んで、女の子の夢想的な、寓話的な話が続くのかなと最初は思った。
でも後半は「維新の血」「偽主義者たち」「孤影」といった、明らかに「陶器の人形」と違うトーンの表題が並ぶ。
そして、歴史の教科書で誰もが名を知る“犬養毅”が登場する。
先の時計の針を戻して時間を戻したら、という話には続きがある。
お父さんにそのアイデアを伝えたら、女の子=犬養道子さんに静かに言った。
「出来ないんだよ、道ちゃん。時を戻したり、前の時に戻ったりすることは、だれにもパパにも出来ないんだよ。」
女の子が時間を戻したいと思った数年後、日本中が同じ思いをすることになる。ともに心に痛みをともなって。
割れた陶器の破片と同様に、人の命を凶刃で奪い得られた歪んだ歴史も、もとに戻せない。
私にとってこの本は、犬養首相の孫の話というより、
多くの個性的な面々と、両親のいっぱいの愛情と、そして孫をおもう祖父のあたたかい眼差しといった
花々と星々に囲まれた自由な空気のなかで成長していく一人の女の子の物語として楽しめた。
楽譜と装飾体の英字でデザインされた表紙の装丁に魅かれ、表題の美しい響きに魅かれた。
だから、犬養道子さんがどういった人か、読み始めた時点では全く知らなかった。
14編の短編からなり、最初の1編は「陶器の人形」という題。
6歳の女の子にとって一番の大仕事は、毎年のクリスマスに1人ずつ増えていく友達、
すなわち人形に、両親に手伝ってもらいながら、名前を付け、性格付けをすること。
ある日、外国から陶器製の女の子の人形が贈られてきた。
女の子はすでに友達となったぬいぐるみ達と同様、名前を付け性格付けしようとしたのに
両親はその陶器の人形だけは女の子から遠ざけた。
遠ざけられたら余計に近づきたい。
それで女の子は陶器の人形が置かれたピアノの上に手を伸ばすけど、陶器の人形は手を滑って・・という話。
陶器の鮮やかな色彩と光沢。それが粉々になった姿。現状を理解するには女の子は幼すぎた。
でも女の子はひらめく。ある日女中が柱時計の針をひょいっと後ろに戻してた。
同じように時間をひょいっと戻したら、陶器の人形の姿も、自分の失敗も、元にもどるのでは・・
これを読んで、女の子の夢想的な、寓話的な話が続くのかなと最初は思った。
でも後半は「維新の血」「偽主義者たち」「孤影」といった、明らかに「陶器の人形」と違うトーンの表題が並ぶ。
そして、歴史の教科書で誰もが名を知る“犬養毅”が登場する。
先の時計の針を戻して時間を戻したら、という話には続きがある。
お父さんにそのアイデアを伝えたら、女の子=犬養道子さんに静かに言った。
「出来ないんだよ、道ちゃん。時を戻したり、前の時に戻ったりすることは、だれにもパパにも出来ないんだよ。」
女の子が時間を戻したいと思った数年後、日本中が同じ思いをすることになる。ともに心に痛みをともなって。
割れた陶器の破片と同様に、人の命を凶刃で奪い得られた歪んだ歴史も、もとに戻せない。
私にとってこの本は、犬養首相の孫の話というより、
多くの個性的な面々と、両親のいっぱいの愛情と、そして孫をおもう祖父のあたたかい眼差しといった
花々と星々に囲まれた自由な空気のなかで成長していく一人の女の子の物語として楽しめた。