私はある。しかも、２０年近く（笑）。
おそらくどの組織でもいわれていることだと思うのだが、
「科学は万能ではない。」（同じく宗教も。）
「科学は、宗教的真理を証明している。」（こじつけだが。）
「宗教的真理は、科学的真理に違背しない。」（弾圧されなければ）
と。宗教的真理と科学は相補的な歩みを遂げてきたと信じている人は多い。
せいぜいガリレオの異端審問を知っているくらいで、
ガリレオクラスの科学者が、ほかにもどれだけいたかは想像すらできないだろう。
例えば、13世紀イギリスの哲学者ロジャーベーコンについては、
実験科学的な思考を持っていたことが仇となり、１４年間獄につながれることになる。
ベーコンは「科学のためにこんな苦労をするのではなかったに」とつぶやいて晩年を迎えた。
宗教的理念の素晴らしさは、宗教組織によって担保されないことを堂々と示す力作だ。
著者のホワイトは無神論者ではなく、敬虔なカトリック信者であることも感慨深い。
本当のことを言うことがどれだけ命がけなのか、宗教との闘争を通じて垣間見ることができる。
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