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人間滅亡の唄 (1966年)

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深沢 七郎
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上位レビュー、対象国: 日本

2016年4月7日に日本でレビュー済み
 冒頭、埼玉県でラヴミー牧場を始めた時のことが書かれている。畑の真ん中に3坪のプレハブを建てて、その日のうちに住み始めるのである。日野の山麓に方丈を建ててそこで晩年を過ごした鴨長明を連想させる。長明は琴の名手だったと聞くが深沢も子供の頃からギターになじんで老人になってもそれは手放さなかった。大正4年生まれの人には珍しいギターの達人だった。
 この頃深沢は「F事件」でいわば世間から袋叩きの目にあい、もともとの人混み嫌いの性格に拍車がかかり、ひたすらお一人様の生活を求めて田舎へやってきたのだった。それにしてもここまで日本人の横並び意識の強さを嫌悪する深沢の徹底ぶりには驚かされると同時にとても新鮮な印象を受けた。

 がしかし、この本は深沢のエッセーを抜粋したものなので、巷間付き合いのあったボクサー、流しの歌手、ストリッパーなどのことを書いた部分が中盤にあり、そのあたりは深沢自身のことを書いたものに比べて面白さに欠ける。要は深沢自身が個性的すぎるので他人を描くと対象となっている人間は全然個性的でないのでいまいち面白くないのである。

 が。「正宗白鳥と私」という一文だけは別格である。正宗白鳥という名前は学校の教科書の文学史の中に何故か出ていて「何処へ」という小説を書いていることまで僕達は知っている。しかしその小説を読んだという人には僕は出会ったことがない。正宗白鳥という人は僕達にとってそういう存在でしかない。
 深沢のこの一文を読むと、白鳥という人が深沢をも驚かせるほど異常なそれでいて魅力的な人物であったことがわかる。深沢は「楢山節考」で新人賞を獲った時、白鳥の家に挨拶に行き、初対面で白鳥に頭の先から足の先まで無言で5分間凝視されたと書いている。しかし世間の常識から外れた二人は非常にウマが合ったのか親しい付き合いを続けてゆく。深沢が文学者の中で唯一敬愛した人物が白鳥だった。
 皆さん、正宗白鳥は教科書に名前が出ている退屈な老文学者ではありません。彼はとてつもなくおもろいおっさんです。それでも彼が書いた小説が面白いとは保証できません、なぜって僕はいまだに彼の小説を読んだことがないのです。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2018年2月14日に日本でレビュー済み
前半は、「風流無譚」事件ののち、深沢が農業を
始めたさいの生活と、人々との関わり。一日で作
った掘っ立て小屋に住む下りなどは、深沢の当時
の心境をうかがわせるが、わたしの勘違いだろうか。

ほか、子供の頃の思い出、深沢独自の思考の開陳、
すなわち人口論(?)やら教育論(??)やら、
雑文とくくられるであろう文章がめっぽう面白い
のは言うまでもない。さらに、晩年の正宗白鳥と
の付き合いは興味深い。

解説の日沼倫太郎は、自分の死を感じたさいに、
深沢の「楢山節考」に救われたという。それには
比べられないけれど、世俗に疲れてうんざりして
いるとき、深沢は爽やかに、わたしを世と切り離さ
れた感覚に浸らせてくれた。最高。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2015年10月12日に日本でレビュー済み
本文庫に収録されている「流浪の手記」の後半部が大幅にカットされています。特に自粛・配慮すべき表現があるわけでもないのにどうして? 徳間書店版がどうなのかは不勉強にして定かではありません。そのあたりにご留意を。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2011年11月22日に日本でレビュー済み
氏いわく
「人間なんて屁と同じ作用で生まれたのだ。
 生まれたことも生きることも死んでいくことも大したことではない。」

氏は己の感性に忠実に生きている。
他人の感性に引きずられることが、ほとんどなかったのではなかろうか。
そのため、必要以上に変人扱いされることもあったと思う。

私は、この本を読んで、
「世間的にどうなのか」
「これを言ったら群れを追放されるのではないか」
という観点よりもまず
「自分のからだの中で、原始的に、どのように感応したか」
を優先して言語化することこそ、
その人独自の人生となり得るのではないか、と感じた。

「自分」を考えさせられる一冊。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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