ファイロ・ヴァンスシリーズ6作目。中国陶器の収集家が密室で死んでいる謎をどうやって解き明かすかというお話です。
自身6作限界説を唱えており、その第6作目に当たるわけですが、良くも悪くもヴァン・ダインらしさが出ていると思います。
密室云々は病気療養中に膨大な数の推理小説を読んだ作者らしく、また知識の多さも反映していて印象に残り、これだけなら星4つでも構わないかもしれません。
ただ、難点は全体の構成。スコッチ・テリアに関しては作者の犬好きを披瀝したいだけのような感じで上手く物語とマッチしていない印象を受けました。
犬の出自の判明を出来るだけ先延ばしにさせようという作者の苦労は感じられますが、インパクト・説得力が欠けています。
惜しい作品ですが、密室に関する話は一読の価値があるでしょうか。
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ケンネル殺人事件 (1960年) (創元推理文庫) 文庫 – 1960/2/26
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登録情報
- ASIN : B000JAQXBQ
- 発売日 : 1960/2/26
- 言語 : 英語
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,510,290位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 270,683位文庫
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年7月26日に日本でレビュー済み
中国陶器の収集家アーチャー・コーが自宅の寝室で拳銃を片手に持ち頭を撃たれて死んでいた。現場は内側から閂のかかっていたため自殺かと思われたが、部屋着を着ているのに靴は寝室用スリッパに履き替えていない等から名探偵ヴァンスは自殺説に疑問を呈する。案の定、死因は背中からの刺殺によるものであり他殺と判明するが、ではなぜ頭を撃たれたのか、犯人はどうやって密室から脱出したのか等が疑問となる。さらに別の部屋に大怪我をした犬(スコッチテリア)が倒れているのが発見されるが、誰もその犬のことを知らないという。昨夜何かの間違いが起こったらしいのだが事件はこれだけではなかった…
前半は関係者への尋問や捜査陣の推理が丹念な会話劇で展開されグイグイと引き込まれる。このへんはヴァン・ダインの右に出る作家はいないのではなかろうか。現実感のある大人の会話がスムーズに進んでいく中で超然としたヴァンスの名推理が光る。しかし後半からはやや冗長さがある。密室のトリックもタネを明かされればそれほど驚くものではなかった。もう一つの不可能トリックは推理小説の中で採用するのはいかがかと思う。
事件の全体像は奇妙さがあって独創的であるが、なぜかこじんまりとした小粒の感があり短編か中編の方がよかったのかもしれない。また犯人の人物像があまり見えてこない。動機も希薄でありその記述もあっさりとしていて残念であった。ヴァンスがあくびするシーンが多いのは作者の余裕を見せたかったのかもしれないが作品としての格調を落としていてあまり愉快ではなかった。
前半は関係者への尋問や捜査陣の推理が丹念な会話劇で展開されグイグイと引き込まれる。このへんはヴァン・ダインの右に出る作家はいないのではなかろうか。現実感のある大人の会話がスムーズに進んでいく中で超然としたヴァンスの名推理が光る。しかし後半からはやや冗長さがある。密室のトリックもタネを明かされればそれほど驚くものではなかった。もう一つの不可能トリックは推理小説の中で採用するのはいかがかと思う。
事件の全体像は奇妙さがあって独創的であるが、なぜかこじんまりとした小粒の感があり短編か中編の方がよかったのかもしれない。また犯人の人物像があまり見えてこない。動機も希薄でありその記述もあっさりとしていて残念であった。ヴァンスがあくびするシーンが多いのは作者の余裕を見せたかったのかもしれないが作品としての格調を落としていてあまり愉快ではなかった。
2016年5月31日に日本でレビュー済み
派手さはないが、良くできたパズラー小説で、古い作品だが、今読んでも古さを感じない。
矛盾をはらんだ、不可解な状況が次々と示されるが、真相はそれを十分に説明しており、納得できるもの。
犯人特定や、中国人料理人がある事実を知っていたことを指摘するヴァンスの推理も論理的。
密室トリックの方法も、図があって、わかりやすい。
登場人物の数やその行為、ストーリーの進行、ヴァンスの捜査内容等、いずれも無駄がない(スコッチ・テリアや中国陶器のことも、真相解明に関係していた)。
犯行が行われた図書室と、死体が発見された二階の部屋とで距離が離れていた理由は突飛だし、犯人の意図しない、複数の要因が複雑に絡み合っているので、読者には推理困難な作品。
矛盾をはらんだ、不可解な状況が次々と示されるが、真相はそれを十分に説明しており、納得できるもの。
犯人特定や、中国人料理人がある事実を知っていたことを指摘するヴァンスの推理も論理的。
密室トリックの方法も、図があって、わかりやすい。
登場人物の数やその行為、ストーリーの進行、ヴァンスの捜査内容等、いずれも無駄がない(スコッチ・テリアや中国陶器のことも、真相解明に関係していた)。
犯行が行われた図書室と、死体が発見された二階の部屋とで距離が離れていた理由は突飛だし、犯人の意図しない、複数の要因が複雑に絡み合っているので、読者には推理困難な作品。
2006年8月25日に日本でレビュー済み
シリーズの6作目。遠い昔、「犬が寝るからkennel」と覚えたものです...。本作以前から作者は「一人のミステリ作家に書ける作品は6つまで」と公言していた。その意味で、作者は本作を最後の作品とするつもりで気合を込めて書いたのであろう。実際は、出版社の要請で12作まで書く羽目になったが、結果は作者が予言した通りになった。
本書では、磁器や犬に関する薀蓄はあるが、やはりテーマはそれまでにない斬新な密室事件であろう。心理的トリックでもない、機械的トリックでもない、動物を使う訳でもない。このトリックを使うには、さすがのヴァン・ダインも度胸がいったろう。下調べも入念に行なった筈だ。それを隠すかのように、従来作品にも増してヴァンスの饒舌が目立つ。
このトリックが明らかになった時、確かに驚いたが、同時に「そんなのありかよ」という想いもした。しかし、アイデアは早い者勝ちなので、この時代にそれを活かして見せた作者の手腕はやはり褒め称えるべきであろう。作者の言う6作限界説に従えば、有終の美を飾る秀作。
本書では、磁器や犬に関する薀蓄はあるが、やはりテーマはそれまでにない斬新な密室事件であろう。心理的トリックでもない、機械的トリックでもない、動物を使う訳でもない。このトリックを使うには、さすがのヴァン・ダインも度胸がいったろう。下調べも入念に行なった筈だ。それを隠すかのように、従来作品にも増してヴァンスの饒舌が目立つ。
このトリックが明らかになった時、確かに驚いたが、同時に「そんなのありかよ」という想いもした。しかし、アイデアは早い者勝ちなので、この時代にそれを活かして見せた作者の手腕はやはり褒め称えるべきであろう。作者の言う6作限界説に従えば、有終の美を飾る秀作。
2008年9月28日に日本でレビュー済み
タイトルはちょっと違うんジャアない。
展開はあまりに都合よく進行して?でも確かにこの様な推理小説もありかな。
まあマンガチックなのもよしでしょうが、筆力で読ませている。
正直あまりに、うんちくがうっとうしくもある。
展開はあまりに都合よく進行して?でも確かにこの様な推理小説もありかな。
まあマンガチックなのもよしでしょうが、筆力で読ませている。
正直あまりに、うんちくがうっとうしくもある。
2003年1月14日に日本でレビュー済み
タイトルのような理不尽な事を言った挙げ句
自分自身で実証したヴァン・ダインの6作目
密室殺人とスコッチテリアの謎
それに中国陶器
事件のトリックは当時としては斬新な物で
後に手を変え品を変え、他の作家がトリックとして使うことになります
自分自身で実証したヴァン・ダインの6作目
密室殺人とスコッチテリアの謎
それに中国陶器
事件のトリックは当時としては斬新な物で
後に手を変え品を変え、他の作家がトリックとして使うことになります
2003年1月15日に日本でレビュー済み
犬が事件の重要な鍵を握る
ヴァン・ダインの密室もの
最初に読んだときは衝撃的なトリックでした
こんな事が本当にあっていいのか?って感じ
ヴァン・ダインの密室もの
最初に読んだときは衝撃的なトリックでした
こんな事が本当にあっていいのか?って感じ