他の文化圏で日本ほど人形の系列が古代に続く様を眺望できる民族はいないのではないだろうか？
戦前の欧州文明に触れた詩人の竹内勝太郎は帰国後にそう感じ取ったに相違あるまい。西日本には浄瑠璃や文楽という生きた芸能の伝統があった。勇躍、この詩人は淡路島などを踏査し、人形操りの精神を精力的に探求した。そのすべての記録がこの貴重な書籍に収められ、我ら末裔に託された。
勝太郎の感慨はこの一文に込められている。
「人形は知識を得た人間に貶しめられ、権威と勢力を奪われ、沈黙のなかにとじこめられて、哀れにも小さく退化した巨人族の後裔である。」
富士正春のあとがきが語る詩人の苛烈で短い生も印象的でありました。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
