本作はアンディー・パーカーとポール・レイモンドの復活です。ポール・レイモンドのキーボードはやはり、UFOのサウンドに艶を出しています。また、アンディー・パーカーは迫力の点でジェイソン・ボーナムには劣りますが、独得のまったりとした空間ドラムは、やはり、UFOサウンドには嵌まります。
UFOの古くからのファンは、ヴィニー・ムーアではなくマイケルのギターを望むと思います。しかし、残念ながら、今のマイケルはUFOとしてはケミストリーが生まれません。それは、11年前の「WALK ON WATER」で実証済みです。ですから、ヴィニー・ムーアが今のベストな布陣かも知れません。
勿論、今後も70年代のような光は取り戻せないと思います。しかし、現役として最高のアルバムを届けてくれた事は確かです。それにしても、フィル・モッグというボーカリストは不思議です。これだけ音域が狭いのに上手い。彼にしか表現できない世界があります、正に名人芸のボーカリストです…。