20世紀の音楽史においてトリスターノはシェーンベルクやストラヴィンスキー、バルトークなどと同列に扱われるべき存在だと思う。
しかし、ストラヴィンスキーなどが登場時のスキャンダルから徐々に理解を得て、今では音楽史の一齣に位置づけられたのに対して、トリスターノの音楽はいまだに音楽史はおろかジャズ史のなかにすら確たる位置づけがなされていない。
そのような位置づけを拒む孤高、永遠の問題作などの常套句によってこの作品は形容されてきたが、最近思うのは案外にバッハなどを継承している部分などが見過ごされてるのではないかということである。
鬼才トリスターノ(紙ジャケット仕様)
仕様 | 価格 | 新品 | 中古品 |
CD, 限定版, 2013/6/26
"もう一度試してください。" | 限定版 |
—
| ¥3,500 | ¥3,106 |
CD, オリジナルレコーディングのリマスター, 2008/2/20
"もう一度試してください。" | オリジナルレコーディングのリマスター |
—
| ¥4,480 | ¥4,280 |
CD, 限定版, オリジナルレコーディングのリマスター, 2005/11/9
"もう一度試してください。" | オリジナルレコーディングのリマスター, 限定版 |
—
| — | ¥334 |
CD, 限定版, 1998/9/25
"もう一度試してください。" | 限定版 |
—
| — | ¥399 |
CD, 1991/2/25
"もう一度試してください。" | 1枚組 |
—
| — | ¥443 |
CD, 1970/1/31
"もう一度試してください。" | 1枚組 |
—
| — | ¥660 |
CD, 限定版, 2007/1/24
"もう一度試してください。" | 限定版 |
—
| — | ¥1,300 |
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曲目リスト
1 | ライン・アップ |
2 | レクイエム |
3 | ターキッシュ・マンボ |
4 | 東32丁目 |
5 | ジーズ・フーリッシュ・シングス |
6 | ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド |
7 | 君がいたなら |
8 | ゴースト・オブ・ア・チャンス |
9 | 君はわがすべて |
商品の説明
メディア掲載レビューほか
クール・ジャズ・ピアニスト、レニー・トリスターノの、1955年録音盤。「ライン・アップ」「レクイエム」他、全9曲を収録。
登録情報
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 梱包サイズ : 15.4 x 13 x 0.4 cm; 52.16 g
- メーカー : ワーナーミュージック・ジャパン
- EAN : 4943674068210
- 時間 : 47 分
- レーベル : ワーナーミュージック・ジャパン
- ASIN : B000KHXFZ0
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 428,202位ミュージック (ミュージックの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年1月22日に日本でレビュー済み
トリスターノの音楽を指して「クール」というが、どこがクールなのか。すぐにレッテルを
貼りたがるジャズ・ジャーナリズムの人の習性か。盲目のジャズ・ピアニストということだが、
それならジョージ・シアリングもいる。こちらは明るく、おしゃれに洗練されていて、
ステージ上で「こんばんは。こちらエロール・ガーナーです」と自己紹介して演奏に入るような
人だった。それに対して、トリスターノは、風貌もそうだが、ひたすら求道者的に自己に沈潜し
集中していく。
このアルバムを聴いて、すぐにバッハ、ジョン・ルイス、キース・ジャレット、セシル・
テーラーといった名前が浮かぶ。”孤独な熱狂”というと情緒的だが、そうした気配を強く感じる。
音色が重いチェンバロのような、不思議なトーン。ここからグレン・グールドのような名前も
浮かんでくる。
スピード感のあるM1「Line Up」が終わると、北極の雪原のような「Requiem」が聴こえてくる。
これはカナダの映画監督ジャニ・ヴィルヌーヴの名作モノクロ映画『Polytechnique』を思い出した。
チャーリー・パーカーを経由しつつ、武満徹に想いを馳せながらこの灰色の世界を漂っていく。
収録曲は優れているのだが、残念なのは、不自然なフェイドアウトで曲が終わっていくところ。
このCDには、2つのアルバムがカップリングされている。2枚目の『The New Tristano』はソロ・
ピアノ。M13「Scene and Variations」は3楽章構成で、タイトルからもクラシカルな気配がある。
内容も、ジャズとクラシックを橋渡していて、それが実にスリリング。のちにキース・ジャレットは
バッハの曲を録音したり、チック・コリアもクラシック音楽の作曲家やクラシック・ピアニストの
名前を挙げるようになるが、そうした実例よりも、トリスターノのこれらの演奏は、ジャズを
ベースにした真の切迫感がある。一切逃げを打たない真摯さは、彼を唯一無二の存在にする。
貼りたがるジャズ・ジャーナリズムの人の習性か。盲目のジャズ・ピアニストということだが、
それならジョージ・シアリングもいる。こちらは明るく、おしゃれに洗練されていて、
ステージ上で「こんばんは。こちらエロール・ガーナーです」と自己紹介して演奏に入るような
人だった。それに対して、トリスターノは、風貌もそうだが、ひたすら求道者的に自己に沈潜し
集中していく。
このアルバムを聴いて、すぐにバッハ、ジョン・ルイス、キース・ジャレット、セシル・
テーラーといった名前が浮かぶ。”孤独な熱狂”というと情緒的だが、そうした気配を強く感じる。
音色が重いチェンバロのような、不思議なトーン。ここからグレン・グールドのような名前も
浮かんでくる。
スピード感のあるM1「Line Up」が終わると、北極の雪原のような「Requiem」が聴こえてくる。
これはカナダの映画監督ジャニ・ヴィルヌーヴの名作モノクロ映画『Polytechnique』を思い出した。
チャーリー・パーカーを経由しつつ、武満徹に想いを馳せながらこの灰色の世界を漂っていく。
収録曲は優れているのだが、残念なのは、不自然なフェイドアウトで曲が終わっていくところ。
このCDには、2つのアルバムがカップリングされている。2枚目の『The New Tristano』はソロ・
ピアノ。M13「Scene and Variations」は3楽章構成で、タイトルからもクラシカルな気配がある。
内容も、ジャズとクラシックを橋渡していて、それが実にスリリング。のちにキース・ジャレットは
バッハの曲を録音したり、チック・コリアもクラシック音楽の作曲家やクラシック・ピアニストの
名前を挙げるようになるが、そうした実例よりも、トリスターノのこれらの演奏は、ジャズを
ベースにした真の切迫感がある。一切逃げを打たない真摯さは、彼を唯一無二の存在にする。
2016年3月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ようやく自分好みのピアニストに出会えて、幸せな思いです。長らくキース・ジャレットやバド・パウエルがお気に入りでしたが、テクニックよりもこの人の独自の、演奏するという「行為への距離感」が面白いのです。
当時にあって極左的ピアニスト。おそらく聴き手を選ぶ演奏家であるまいか。個人的に自分にはかなりフィットする偏屈な職人肌のピアニストなので、これからもずーと聴き続けるに違いない。
もともとジャズというよりも、「現代音楽に近い斬新なアプローチ」という先入観があったが、アルトを交えた後半は、ブルージーで儚い、人間臭い面も垣間見え、なかなかの好盤である。非常に寡作な演奏家だが、バド・パウエルや、ビル・エヴァンス以上に好きなピアニストである。
当時にあって極左的ピアニスト。おそらく聴き手を選ぶ演奏家であるまいか。個人的に自分にはかなりフィットする偏屈な職人肌のピアニストなので、これからもずーと聴き続けるに違いない。
もともとジャズというよりも、「現代音楽に近い斬新なアプローチ」という先入観があったが、アルトを交えた後半は、ブルージーで儚い、人間臭い面も垣間見え、なかなかの好盤である。非常に寡作な演奏家だが、バド・パウエルや、ビル・エヴァンス以上に好きなピアニストである。
2016年6月28日に日本でレビュー済み
冷たい音色でバラード曲~ハード系演奏の印象を受けるアルバム1枚です。好き嫌いはやや分かれ易いと思います。
2014年7月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アナログレコードも持っているのですが、CDを買って改めて聞きました。後半のアンニュイな感じが繰り返し聞き入ってしまいます。
2021年12月5日に日本でレビュー済み
ビバップ創成期に周りとは全く違うコンセプトで立ち上がってしまったレイニー トリスターノ。ほんとうに孤高のピアニストである。一時はそれに惚れ込んで集まったリー・コニッツ他トリスターノ派の面々もその後散り散りになってしまいます▪▪
確かに、彼の音楽は内省的。緻密。知的。禁欲的。万人向きではない。そこだけ見ると、今後の生活に不安を感じたであろう。しかし。約70年経過した2021年に聴いても新鮮味があります。ラグタイム時代のスコット ジョプリンの影響は感じます。そしてその後はデューク エリントンとセロニアス モンクの影響は受けているように思われます。ほとんどは彼の独自性ですが。その後はビル エヴァンスやセシル テイラー に、そしてブラッド メルドウがその要素を引き継いでいると思われます。だから70年後の「今」聴いても新鮮な感じがするのだと確信します。やはり「鬼才」かも。いや「鬼才」です。
確かに、彼の音楽は内省的。緻密。知的。禁欲的。万人向きではない。そこだけ見ると、今後の生活に不安を感じたであろう。しかし。約70年経過した2021年に聴いても新鮮味があります。ラグタイム時代のスコット ジョプリンの影響は感じます。そしてその後はデューク エリントンとセロニアス モンクの影響は受けているように思われます。ほとんどは彼の独自性ですが。その後はビル エヴァンスやセシル テイラー に、そしてブラッド メルドウがその要素を引き継いでいると思われます。だから70年後の「今」聴いても新鮮な感じがするのだと確信します。やはり「鬼才」かも。いや「鬼才」です。
2014年7月1日に日本でレビュー済み
レニー・トリスターノ、1955年の録音で数少ないリーダー作の一枚。共演者はベースがピーター・インド、ドラムがジェフ・モートン。もう一つのユニットでアルトサックスがリー・コニッツ、ベースがジーン・ラメイ、ドラムがアート・テイラー。ジャズを普通に楽しんで聴いているぶんいには関係がないアルバムか。ジャズ理論まで行ったあたりにレニー・トリスターノが出てくるのだろうか。演奏の前半と後半で同じ学派とはいえ、雰囲気がまるでちがって面食らう。でもこれが、いわゆるトリスターノ派の開祖の張本人の音。
2014年2月15日に日本でレビュー済み
孤高のピアニスト、そして一世を風靡したクールジャズの旗頭だったレニー・トリスターノの代表作。リズム陣の録音に後からピアノをダビングさせた1曲目ラインナップや感動的な音楽を噤み出す2曲目レクイエムに、後半はトリスターノ派のスタア、リー・コニッツのアルトを加えたスタンダードと、ピアニストの真骨頂をとらえた極め付けの名演集。一代の芸術家の姿を記録した最良の一枚。