出演∶ロバート・ヤング、ランドルフ・スコット、ディーン・ジャガー、ヴァージニア・ギルモア、ジョン・キャラダイン、スリム・サマーヴィル、チル・ウィルス、バートン・マクレーン
監督∶フリッツ・ラング
無声映画時代、ドイツでSF映画の古典的名作『メトロポリス』を作って、映画史にその名を残すオーストリア出身の巨匠フリッツ・ラングがアメリカに渡って撮った西部劇である。戦前のハリウッドには、ナチスの迫害を逃れてきたユダヤ系ドイツ人(orオーストリア人)が何人もいたようで、有名どころでは、エルンスト・ルビッチ、ウィリアム・ワイラー、ビリー・ワイルダー、オットー・プレミンジャーなどの名監督たちがいる。
この映画、日米開戦直前に作られ、日本公開は戦後だったらしい。まさか監督が、日本の同盟国ドイツからアメリカに渡った人だからではあるまいが……。同様に開戦直前に作られた映画で、『オズの魔法使』『ファンタジア』『風と共に去りぬ』『地獄への道』などアメリカの財力・技術力の凄さをまざまざと見せつけるような作品は戦後まで日本に入ってきていないので、つい穿った見方をしたくなりますね。この『西部魂』も前記『風と共に去りぬ』『ファンタジア』などと同じく当時の日本にはまだないオールカラー作品だし…。
1861年、電信会社ウェスタン・ユニオンは西部に向けて電信線・電柱の大増設を急いでいた。(映画の原題は『Western Union』である) 社の技術責任者クレイトン(ジャガー)の元に集められた現地スタッフの中に、かつてクレイトンの命の恩人だったショー(スコット)がいた。馬などの扱いのプロで、インディアンの言葉も解す貴重な戦力である彼は、じつは元お尋ね者で、クレイトンもその事実を知って知らぬふりをしていた。
電信事業拡大のスポンサーの息子の東部人ブレイク(ヤング)が電信技術者としてやって来る。キザなだけのお坊っちゃんと思われたが、荒馬を軽々と乗りこなして見せ、一目置かれるようになる。社にはクレイトンの妹のスー(ギルモア)も居り、彼女を巡るショーとブレイクの恋の鞘当てが始まる。
ショーやブレイクの働きで事業は順調に進むかに見えたが、自分たちの土地に電柱・電線が通ることを嫌う凶暴なインディアン・スー族の襲撃、事業の妨害・撹乱でひと儲けしようとする悪党スレード一味の企みが大きな障害となっていた。スレードは、ショーの昔の無法者時代の仲間であった……。
インディアンの襲撃と銃撃戦、スレード一味による焼き討ちなど大掛かりな見せ場も多々ある。しかし、そういった派手な部分よりも、スーを巡って牽制し合うショーとブレイクの恋の駆け引きや、臆病な料理人の爺さんと周囲のスタッフの珍妙なやり取りなどの微笑ましいエピソードが楽しい。ブレイクらが電気技術を使って、スー族に"魔法"を見せてケムに巻くエピソードも面白い。ヨーロッパ人フリッツ・ラングならではのキメの細かい演出なのかもしれない……いやアメリカ人監督でも、それぐらいはやりますねw アメリカ横断鉄道の歴史的大事業を背景に描いたセシル・B・デミル監督の西部劇大作『大平原』を彷彿とさせる作品である。
この映画、典型的な娯楽西部劇のパターンを踏襲してもいる。かつて無法仲間だったスレードが裏で糸を引いているのを承知で、それを隠して自分の過去をも封印しようと我慢していたショーが、自分の手ですべてを清算するために死地へと赴くクライマックス。それを知って、あとを追うもうひとりの主人公ブレイク。これって、高倉健と池部良の『昭和残俠伝』などの任俠映画のパターンにも通じるような……いや、任俠映画が西部劇のパターンをいただいたんでしょうねw
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥2,000以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
西部魂 [DVD]
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥4,540","priceAmount":4540.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"4,540","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"xhJArQDWjxYCEnjEeWtGuVBTW5r%2BSjpO6nT2gQNjqzYKj0IqwpTxes7%2FBGNrcE1DJPCNvBk1f3Mt8qsEC%2BnhyDPXpjGp23ZWvXycx5BQdypPpxA0%2BTBns7n3Vp40tNOU","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}]}
購入オプションとあわせ買い
フォーマット | 色, ドルビー |
コントリビュータ | ヴァージニア・ギルモア, ランドルフ・スコット, フリッツ・ラング, ロバート・カーソン, ディーン・ジャガー, ロバート・ヤング |
言語 | 英語 |
稼働時間 | 1 時間 34 分 |
登録情報
- アスペクト比 : 1.33:1
- 言語 : 英語
- 製品サイズ : 25 x 2.2 x 18 cm; 83.16 g
- EAN : 4988182109949
- 監督 : フリッツ・ラング
- メディア形式 : 色, ドルビー
- 時間 : 1 時間 34 分
- 発売日 : 2006/12/25
- 出演 : ランドルフ・スコット, ロバート・ヤング, ディーン・ジャガー, ヴァージニア・ギルモア
- 字幕: : 日本語
- 言語 : 英語 (Mono)
- 販売元 : ジュネス企画
- ASIN : B000KJTI68
- 原産国 : 日本
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 143,242位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 788位外国の西部劇映画
- - 11,174位外国のアクション映画
- - 14,074位外国のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2022年3月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2022年8月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
始まりが意外でなかなか無い展開にどんどんストーリーにはまり込んでしまったが、これほどいい展開であるにも関わらず、ただ単に犯罪で荒稼ぎする昔の仲間を兄弟と言っていたり、どうにも嚙み合わないかと思えば、撃ち合いであっけなく背後から裏切り者のように撃たれ、恋敵の男が「その悪党を撃ち殺す」何とも皮肉な流れからあっという間に「このストーリーは谷底に落下する岩のように砕け散って」後には言葉さえ言えなくなっている。んん...それにしてもこの作品は161年も前の物語という設定である。本当に西部開拓史にも色々な側面があって、物語の脚本作りに不足はしない。電信柱1つ渡していくのが壮大な仕事だった時代が背景にあって貴重な感じがする作品でもある。
2022年3月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ショーのかつての仲間というのが実の兄だったという設定にはびっくり。
なるほど、スコットがちよっと煮え切らない男になっているわけだ。
さすがに兄を売ることはできなかったというわけ。
ただ、最後の対決でショーのほうは球が尽きなかったのに、ブレイドのほうは球が尽きちゃったよね。
確か六連発のはずだけどなあ。
昔の映画だけに焼き討ちのシーンでも派手に燃やしてくれましたね。
今だったら環境問題が起こりそう。
だから現代だったらCGを使うのだろうな。
ちょいとにやけた東部男が、実は馬の扱いに長けていたり銃も扱えるという描き方は珍しいのではないか。
なるほど、スコットがちよっと煮え切らない男になっているわけだ。
さすがに兄を売ることはできなかったというわけ。
ただ、最後の対決でショーのほうは球が尽きなかったのに、ブレイドのほうは球が尽きちゃったよね。
確か六連発のはずだけどなあ。
昔の映画だけに焼き討ちのシーンでも派手に燃やしてくれましたね。
今だったら環境問題が起こりそう。
だから現代だったらCGを使うのだろうな。
ちょいとにやけた東部男が、実は馬の扱いに長けていたり銃も扱えるという描き方は珍しいのではないか。
2020年12月6日に日本でレビュー済み
キャラクター設定や人間関係などが、リアルな生活感を土台にしっかり作りこまれています。
演出もきめ細かく余計なセリフにたよらず役者の演技や映像で語ります!その為、ちょっとしてしぐさやセリフでキャラクターの背景などが、さり気なく読み取れます。
西部劇というエンターテインメントな映画ジャンルなのに、過剰な演出や記号的な演技を一切せず、全てがリアルな生活感を土台にして作りこまれている事が、かなりめずらしい映画だと思います。しかしその生活感がこの映画の奥深さにつながっています。映像も素晴らしいので文句無しの傑作です!
この演出スタイルは、太陽の王子 ホルスの大冒険の高畑 勲監督の演出スタイルに似ています。
高畑勲監督はたぶんこの映画やフリッツ・ラング監督の映画にかなり影響を受けていると思います。
高畑勲監督のファンは必見です!
演出もきめ細かく余計なセリフにたよらず役者の演技や映像で語ります!その為、ちょっとしてしぐさやセリフでキャラクターの背景などが、さり気なく読み取れます。
西部劇というエンターテインメントな映画ジャンルなのに、過剰な演出や記号的な演技を一切せず、全てがリアルな生活感を土台にして作りこまれている事が、かなりめずらしい映画だと思います。しかしその生活感がこの映画の奥深さにつながっています。映像も素晴らしいので文句無しの傑作です!
この演出スタイルは、太陽の王子 ホルスの大冒険の高畑 勲監督の演出スタイルに似ています。
高畑勲監督はたぶんこの映画やフリッツ・ラング監督の映画にかなり影響を受けていると思います。
高畑勲監督のファンは必見です!
2020年4月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
記憶をたどれば20年以上探していた作品が3作あり、最近2作を発見した。終戦後米国映画をみてきたが、70年余がすぎ85歳の今集めた300本余の中にようやく発見した。当初西部劇を主に集めたが、最近になって西部劇に米国の歴史が凝縮されているのを発見した。たった2-300年の歴史しかない国が世界に君臨しているのもムベなるかなと思う。何のために東部から西海岸まで死の困難を乗り越えて向かったのか、吾々には理解することは出来ないが、大陸を横断して新世界を築いたことには感動すら覚える。吾々日本人が例えば北海道から南九州まで日本を縦断する行動を起こて新世界を夢見るとは思えない。米国人の行動論理がいまだ理解できず、しかし西部劇を300作もみると、凄まじい人種だとは納得させられる。
が、インデアンなどあらゆる邪魔者を排除し、今の国を築き上げたバイタリティには、第二次大戦を幼少時に体験した者にはとても肯んじ得ないものはあるが、やはり一種の感動を覚えることもある。
古い西部劇の中に女性が活躍するものが多々あるが、最近みたうちで西部劇で女性参政権獲得のために邁進したという作を発見し、また新たな思いをし、そのことからだけではないが吾々日本があの戦争に破れたのは受け入れるべき結果なのかと忸怩たる思いもある。
「西部魂」 「暗黒の恐怖」 の2作は発見できたが、あと1作 E カザンの作(題名も主演俳優も忘れた作)が見つからず、先の短かい人生ではあるが、諦めずに探し続けたい。カザンの作品はニューヨークが舞台のギャングもです。本人も出演者でクルマの中で隣のギャングに殺されます。
が、インデアンなどあらゆる邪魔者を排除し、今の国を築き上げたバイタリティには、第二次大戦を幼少時に体験した者にはとても肯んじ得ないものはあるが、やはり一種の感動を覚えることもある。
古い西部劇の中に女性が活躍するものが多々あるが、最近みたうちで西部劇で女性参政権獲得のために邁進したという作を発見し、また新たな思いをし、そのことからだけではないが吾々日本があの戦争に破れたのは受け入れるべき結果なのかと忸怩たる思いもある。
「西部魂」 「暗黒の恐怖」 の2作は発見できたが、あと1作 E カザンの作(題名も主演俳優も忘れた作)が見つからず、先の短かい人生ではあるが、諦めずに探し続けたい。カザンの作品はニューヨークが舞台のギャングもです。本人も出演者でクルマの中で隣のギャングに殺されます。