2時間半の間に、弱小国家VSと強豪国家の攻防を描いた作品。
「10万人VS1人」という触れ込みを期待して前半を見ると、至極退屈。
どんな知力戦が繰り広げられるのかと思いきや、いたってオーソドックスな戦闘で、
それを期待してみると肩すかし。メインは後半の内紛からです。
時間が短いなか、かなり詰め込んだので説明不足な部分は否定できないが
(後述)、主役の理想と現実の狭間の果ての、救いのまるでない
もの悲しいラストが悪くなかった。
他のサイトでレビューみると、原作とはシナリオが違うらしいが、ただ、
それを知っている人が「説明不足だ」「墨家とは何か分からない」
「兼愛と墨攻の意味」「描写が少ない」「兵の生死の描写がキチンと
えがけていない」云々を言っているが、正直2時間強の映画で
そんなものを全て詰め込むのは『無理』。
いいたいことは分かるが、制限あるなかで何を取捨選択し、
何を伝えたいかは制作側の判断で、原作と較べるのは
この映画のスケールからいうと難しい作業。
それより、本作を単体映画として(原作の何かと比較対象するのではなく)
評価すべきじゃないかな、と思う。
監督は別のエッスンス(戦争の悲惨さ、主人公の恋慕、人間の業)を入れて
作品を作り上げたのだが、ハリウッド的な単純な善悪二元論とは違う
戦争描写、含みあるラストは英雄やグリーンディスティニー同様、
1種のアジア映画独特のそれであった。
戦闘の迫力はそれなりなので、映画館で見たほうがいいと思う
(多分DVDでみたりすると退屈しそうなシーンが多いから)
原作を抜きにして、☆3.5くらいの評価にしておきたい。