riverside盤にひと頃、キャノンボールが制作に関わった作品がある。これもその1つで、2人のテナー奏者…james cley david“fathead”newman…のチェイスにスポットをあてたもの。
男性のバップ・ヴォーカルで、オルガンのjimmy smithを登場当初から的確に評価していた人…としても知られるbabs gonzalesの曲を取り上げている。冒頭“wide open spaces”が彼の作曲で、cleyもnewmanもそれぞれ20コーラス近くゴリゴリ吹いている!続くwynton kellyも8コーラス取るという一大ブロウ大会。
cleyもnewmanもベクトルを同じくするテナー(テキサス系)のため、コッテリ味の焼肉ばかりをひたすら食べさせられてるような、何とも云えない気分。…しかし12分に及ぶ冒頭は、じつは腕ならしであり、B面にあたる3曲目以降に注意してほしい。
冒頭曲では“余りに似過ぎている”…とさえ思えた2テナーの微妙なアプローチの違いがよく見えてくる。スタンダード“what's new”ではcleyがフルートを吹くが、この人、もしかするとフルート吹奏の方がセンスあるかもしれない。
このチェイス、果たして軍配はどちらに!?
…私はnewmanだと思いました。とりわけ“some kinda mean”の彼の、スケールが大きく自在なソロはとても印象深い。ちょっとcliff jordanっぽいですが。