ヘミシンク、バイノーラル、サブリミナル、ソルフェジオ…。ある音源を聴くことで健康に寄与したり能力が開発されたりするなどと宣伝し、人生に好転をもたらすという効果を謳った商品は、探せばたくさん見つかる。しかし正直なところ、個人的にはそうした効果については半信半疑な立場で、効果については判断を保留している。
ではなぜ、この『Surf』に☆5つをつけたかというと、これはヘミシンクの効果云々によるものというよりも、むしろこの音源の「当たり障りのなさ」による。
これは個人的な意見なのですが、疲れた時、気分がのらない時には、いわゆる落ち着いた曲調の音楽でさえ煩わしく感じることがある。例えばヒーリングミュージック、アンビエント、エレクトロニカ、その類い。リラックスすると言われるようなクラシックやジャズでさえ、うるさく感じてしまうことがある。それでは何も聴かなければ良いのではないかと言われそうなのだけれど、何らかの「音」は聴いていたいという厄介ともいえる気持ちは残っている。何かしらの音がなければ落ち着かないというか、不安な気分になってしまう。そこで個人的に気に入ったのがこの商品だった。延々と波の音と微かな海鳥の鳴き声が続くだけという音源は、邪魔にならず、かといって控えめ過ぎず、僕にとっては良い意味で「聴き流せる」ちょうど良いものだった。CDをiPodに入れてイヤホンから流し、本を読んだり勉強したりすることもあるし、夜にベッドに入り眠るまで聴き流すこともある。さきに僕は「当たり障りのない」音源と書いたけれど、もしこれがなかったら寂しいし、物足りない感じがする。
少なくとも音楽性があるとは言えない、ただ波の音が音続くという音源。それにヘミシンクの謳うような効果もとくに感じないけれど、僕は上記のような理由からこのCDを気に入っている。これが☆5つをつけた理由です。