『バルカン超特急』(The Lady Vanishes)('38)
出演∶マーガレット・ロックウッド、マイケル・レッドグレイヴ、ポール・ルーカス、メイ・ウィッティ、セシル・パーカー、リンデン・トラヴァース、ノウントン・ウェイン、ベイジル・ラドフォード、メアリー・クレア、エミール・ボレオ、フィリップ・リーヴァー、セルマ・ヴァズ・ディアス、キャサリン・レイシー、ジョセフィン・ウィルソン
監督∶アルフレッド・ヒッチコック
"スリラーの巨匠"、"サスペンスの神様"と謳われたアルフレッド·ヒッチコック。元々イギリス出身の彼は、戦前の1930年代まではイギリス映画界で活動し、1940年頃からアメリカに活躍の場を移している。日本で今でも広く知られている彼の有名作品は、アメリカ時代のものが多い。
この『バルカン超特急』は、渡米直前のイギリス時代末期の作品だが、日本には当時は入ってこなかったようだ。日本で日の目を見たのは、たしか1970年代半ば、私の大学生時代に、ヒッチコックの未公開傑作の特集上映(?)があり、この『バルカン超特急』や『海外特派員』などを見ることが出来たと記憶している。
この作品、"人間消失もの"サスペンス映画の元祖だろう。当時すでにTVで、オットー·プレミンジャー監督の同ジャンルの傑作スリラー『バニー·レークは行方不明』('65)を見ていたので、「『バニー·レーク』の元ネタはこれかぁ〜」と思いつつ見ていました。初見の時は深く考えなかったが、この作品の製作年は、第二次世界大戦勃発直前の緊迫状態の頃だ。ヒッチコック渡米後の『海外特派員』('40)と同様に、主人公(英米人)の命を脅かす仮想敵国(国名は出ないが)は、ドイツだ。
[物語] バルカン半島バンドリカ(架空の国)からイギリスへ向かう列車は、豪雪で立往生。乗客らは駅のホテルで一泊する。帰国して婚約者と挙式予定のアイリス(ロックウッド)もその中にいた。上階に泊まるクラリネット奏者の青年ギルバート(レッドグレイヴ)の演奏が元で騒音トラブルとなり、二人は険悪な仲に。客は他に、クリケット狂のカルディコット(ウェイン)とチャータース(ラドフォード)、不倫カップルの"トッドハンター夫妻"(パーカー&トラヴァース)、そして老齢の家庭教師ミス·フロイ(ウィッティ)ら。
翌朝、出発する列車に乗る寸前、ホーム沿いのホテルの上階からアイリスとミス·フロイの頭上に植木鉢が落下してきて、アイリスが頭を打つ"事故"が発生する。大事には至らず、列車は予定通り出発。車内で、アイリスは、ミス·フロイと、イタリア人奇術師ドッポ夫妻(リーヴァー&ヴァズ·ディアス)らと同室になる。同じイギリス人のフロイと親しくなるが、頭が朦朧として一眠りして目覚めると、フロイの姿が消えていた。
アイリスは老嬢を探すが、ドッポ夫妻や車掌らは「そんな女性は最初から乗っていない」と……!? 同乗の高名な医師ハーツ(ルーカス)は、頭を打った後遺症の記憶の混乱だろうと言うのだが……。アイリスは必死でフロイのいた証拠を探し求める。車上で再会したギルバート青年も、彼女を信じ、ともに事件の謎を追い始める。だが事件は、単なる失踪事件ではなかった。巨大な陰謀を背景に、二人の背後には危険な魔手が忍び寄る……。
さすがはヒッチコックと言うべきか、観客(視聴者)をグイッと引き付けて放さない設定の妙。(難を言えば、序盤の一夜のエピソードがやや冗長) 周りの人間がみな嘘をついているのか、それとも何か別の理由が…? 謎が謎を呼び、謎解きの興味は尽きない。トーキー映画が普及して10年かそこら(80年以上前)の作品なので、"進化"した昨今の作品に比べると、脚本的にはシンプルで、裏が読みやすいかもしれない。
だが、陰謀を企む"敵"だけでなく、悪意のない人々までが、それぞれの理由から"ウソ"をつかざるを得なくなるストーリー展開がじつに上手い! 奇術の仕掛けや小道具の利用法など、今となっては使い古しのトリックは、ご愛嬌。ニヤニヤ笑ってスルーしましょう。
人間消失→主人公以外は誰もがその人間の存在を否定、というパターンは、前記『バニー·レークは行方不明』のほか、ジュリアン·ムーア主演『フォーガットン』('04)、ジョディ·フォスター主演『フライトプラン』('05)でも使われている。(3作とも消えるのは子供だが……)
『バルカン超特急』も含めて、いずれも謎解きの過程を面白くするためのミステリーなので、ハッキリ言って何処かに無理のある筋立てばかりです。細かいことは突つかずに楽しむべきでしょう。
…と言いつつ、あくまでも個人的な好みで述べさせてもらうと、家族写真·ヴィデオからも子供の画像だけが消失したり、よその子供も消失して誰も知らない、という展開の『フォーガットン』は、大風呂敷を広げ過ぎかなぁ。飛行中の旅客機から主人公の娘が消えて、乗客·乗員誰もが子供の存在を否定する『フライトプラン』の"真犯人"の"プラン"は、凝り過ぎ·捻り過ぎ……という気もします……。
いずれも多かれ少なかれ何処かに無理のある話なので、どれが好きか、どこまで許せるかは、個人の好みですね。もし未見で、興味のある方は、見比べてみてください。どれも皆、真相を推理·想像しながら、謎解きが存分に楽しめます。(相当ブッ飛んだ"タネ明かし"のものもありますが……(笑))
同種作品の中では『バニー·レークは行方不明』だけが、他と少し違う。他の3作では、消失する人間が序盤に出てきて、観客(視聴者)もその存在を確認している。ところが『バニー·レーク〜』では、序盤から、行方不明になったという主人公の娘が姿を見せないので、存在そのものが謎になってしまうのです。(ひょっとして主人公が"サイコ"!?……とか) 未見の方は、こちらも是非どうぞ! ちなみに『バニー·レーク〜』は、『バルカン超特急』と同じイギリス映画です。
バルカン超特急 [DVD] FRT-035
仕様 | 価格 | 新品 | 中古品 |
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フォーマット | 字幕付き, ブラック&ホワイト |
コントリビュータ | ディム・メイ・ホィッティ, マーガレット・ロックウッド, ノーントン・ウェイン, マイケル・レッドグレイヴ, アルフレッド・ヒッチコック, ポール・ルーカス |
稼働時間 | 1 時間 37 分 |
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商品の説明
バルカンの避暑地バンドリカ(仮想国)からロンドンへ帰る列車に乗ったアイリスは、豪雪で立往生した列車から他の客と共にホテルへ避難した。客の顔ぶれはクリケット狂のカルディコットにチャータース、弁護士と女、貴婦人フロイ等。アイリスがホテルで寝ようとすると客の一人のギルバートが大騒ぎを始め、二人はいがみ合う。と、聞えてくるギターの調べ。その歌声はミス・フロイの部屋の窓の下でやんだ。ギター弾きの背後に忍ぶ大きな影。翌朝、ダイヤは回復し、出発の準備をしているアイリスの頭に植木の箱が。軽い打撲傷ですんだものの、彼女の前を横切ったのはミス・フロイだった。列車で二人は偶然にも同室となる。一眠りしたアイリスが起きた時、ミス・フロイは消えていた。消失は事故か失踪か……アイリスは数々の妨害の中、ミス・フロイ消失の謎を追求し始めた。
登録情報
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4560285900359
- 監督 : アルフレッド・ヒッチコック
- メディア形式 : 字幕付き, ブラック&ホワイト
- 時間 : 1 時間 37 分
- 発売日 : 2006/12/14
- 出演 : ノーントン・ウェイン, マイケル・レッドグレイヴ, マーガレット・ロックウッド, ポール・ルーカス, ディム・メイ・ホィッティ
- 販売元 : ファーストトレーディング
- ASIN : B000LXHG4Y
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 167,278位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 6,075位外国のミステリー・サスペンス映画
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年6月18日に日本でレビュー済み
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2024年4月24日に日本でレビュー済み
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前半の雪崩で立ち往生になり、ホテルでのシーンはコメディを思わせてあまり必要ないかなと思わせた。でも後半のミス・フロイがいなくなってからの流れは非常に面白かった。ただ、魔術師と格闘する場面はお茶らけだし、こいうサスペンスの中にも笑いを入れるというのがヒッチコック?なのかな?
よく調べるとこの映画は1930年代の映画ですか。私が見た映画の中で一番古いです。冒頭の山の中に現れる駅はミニチュアみたいだし、背景が絵だったのも何か所かありましたね。また、後半の銃撃戦は余りにお粗末だったけど、この時代を考えれば仕方のないことです。でも、このストーリーは結構面白いので、誰かリメイクしてほしいですね。
よく調べるとこの映画は1930年代の映画ですか。私が見た映画の中で一番古いです。冒頭の山の中に現れる駅はミニチュアみたいだし、背景が絵だったのも何か所かありましたね。また、後半の銃撃戦は余りにお粗末だったけど、この時代を考えれば仕方のないことです。でも、このストーリーは結構面白いので、誰かリメイクしてほしいですね。
2020年8月26日に日本でレビュー済み
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序盤、ムカつく登場人物の余りの多さに辟易しかかりましたが、その一人一人の心理の推移がとても面白くて、流石は名作扱いされているだけはあるなと感服しました。
「平和主義者」の弁護士の人格設定やその行動の顛末なんかは公開時の英国の背景を思わせてとても興味深かったですし。
ヒロインのマーガレット・ロックウッドもとっても綺麗。
目鼻立ちがお人形さんのように整っているだけじゃなくて、「知性と無邪気さ」「品性と屈託のなさ」という一つの顔の中になかなか同居できない要素がケンカせずに納まってて最後まで見飽きない。
ただ、毎回残念なのが、序盤や中盤の随所で感じてしまう悠長さ。
それはおそらく、ヒッチコックの演出するコミカルな場面が、大抵の場合、私にはクスリとも笑えないせいだと思います。
舞台説明・キャラの紹介・途中での伏線部分など、展開の起伏が乏しい箇所で観客に冗長さを感じさせないために笑いを被せてきているのでしょうから、ヒッチコックの目論見通り楽しく笑えていれば、全編通してもっとスピーディーに感じられるのかも知れません。
今回は「ヒロインが魔術師の看板を邪険に扱うシーン」と「クリケットおじさんズのラストカット」の二ヶ所笑えましたのでまだ救われた方かも。
で、本作でのお気に入りがこの「クリケットおじさんズ」。途中はムカついたんですけど。
この作品の後、この二人組のキャラであちこちに出てたそうで。なるほど、人気が出るのも頷ける素敵な二人組です。
んで、最後にちょっと疑問なんですが、ハーツ医師って、結局どうなったの? なかったですよね、そこ?
まあ、脳内補完できるところだからいいって言えばいいんだけど。
「平和主義者」の弁護士の人格設定やその行動の顛末なんかは公開時の英国の背景を思わせてとても興味深かったですし。
ヒロインのマーガレット・ロックウッドもとっても綺麗。
目鼻立ちがお人形さんのように整っているだけじゃなくて、「知性と無邪気さ」「品性と屈託のなさ」という一つの顔の中になかなか同居できない要素がケンカせずに納まってて最後まで見飽きない。
ただ、毎回残念なのが、序盤や中盤の随所で感じてしまう悠長さ。
それはおそらく、ヒッチコックの演出するコミカルな場面が、大抵の場合、私にはクスリとも笑えないせいだと思います。
舞台説明・キャラの紹介・途中での伏線部分など、展開の起伏が乏しい箇所で観客に冗長さを感じさせないために笑いを被せてきているのでしょうから、ヒッチコックの目論見通り楽しく笑えていれば、全編通してもっとスピーディーに感じられるのかも知れません。
今回は「ヒロインが魔術師の看板を邪険に扱うシーン」と「クリケットおじさんズのラストカット」の二ヶ所笑えましたのでまだ救われた方かも。
で、本作でのお気に入りがこの「クリケットおじさんズ」。途中はムカついたんですけど。
この作品の後、この二人組のキャラであちこちに出てたそうで。なるほど、人気が出るのも頷ける素敵な二人組です。
んで、最後にちょっと疑問なんですが、ハーツ医師って、結局どうなったの? なかったですよね、そこ?
まあ、脳内補完できるところだからいいって言えばいいんだけど。
2022年9月26日に日本でレビュー済み
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最後の銃撃戦で意識を取り戻した人はどうなったのだろうか?
なんだか強引に結末をまとめた感じがする終わり方だった。
なんだか強引に結末をまとめた感じがする終わり方だった。
2023年9月23日に日本でレビュー済み
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モノクロ映画が好きで何本も見ていますが、この作品には少しガッカリしました。現代の映画を見慣れてしまうと、ストーリーも撮影法も古さを感じます。同じ彼の作品でも「サイコ」や「レベッカ」のような心理劇は古さを感じないですが、この作品のように活劇シーンがあると物足りない感が出てしまいます。冒頭のホテルでのシーンも冗長で、ヒッチコックの作品としては珍しくキレがない感じがしました。
2024年3月9日に日本でレビュー済み
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後で見ようとためておいて、ヒッチコックと分からず見た作品。冒頭いろんな人がでてきて本筋に入らないので退屈だが、急に人が失踪し、主役以外はだれも否定するというところから俄然面白くなる。さすがに昔の映画なので、ピストル撃っても、撃たれてもリアリティないし、みんなのんびりしてる。主役の女優さん、当時の有名美人女優ばかり起用してきたヒッチコックらしく優雅で美しい。トラブルに巻き込まれて翻弄される姿が、とてもかわいい。結構楽しめました。
2021年5月14日に日本でレビュー済み
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ロンドン行きの列車は、途中バンドリカで雪崩に遭い立ち往生する。ホテルには乗客があふれ、缶詰状態になる。乗客のうち、2人の英国紳士は母国のクリケット試合を気にしている。アメリカ女性マーガレット・ロックウッドは2人の友人と宿に部屋を取る。そして階上の音楽家の男性マイケル・レッドグレーブと知り合う。外では歌っていた男が殺される。それを聴いていた老婦人も寝床に入る。翌朝、列車が着いた。マーガレットが眼鏡を落とした老婦人に渡そうとして、上から植木が落ち彼女に当たった。「大丈夫?」「出発の時間よ。大丈夫、私がついているから」マーガレットは友人と別れ、列車内で気絶した。バルカン超特急の6人掛けの席に座った彼女は、老婦人からコロンをもらい幾分気分もすぐれた。食堂車に向かった2人は、ティーを頼み、隣の席にいた2人の英国紳士に砂糖をもらう。座席に戻った2人は、老婦人が鼻歌を歌い、マーガレットは眠りにつく。列車は走っていく。再び彼女が目を覚ました時、老婦人はいなかった。他の乗客もそんな人は初めからいなかったという。マーガレットは老婦人を捜して、列車の狭い通路を歩いて食堂車に行くがおらず、ティーを出した給仕も覚えがないという。マーガレットは2等へ行きマイケルと出会い、これまでのことを話す。座席に戻ると相席の男とプラハの医師がおり、彼女を軽い頭部打撲だと言った。マイケルは外国語で残りの2人の夫人に訊いてみるが、初めからそんな老婦人はいなかったという。老婦人は列車から忽然と消えた。マーガレットはマイケルと医師と食堂車へ行き、砂糖をもらった英国紳士2人から、クリケットの話に夢中で覚えてないと言われる。医師は軽い脳震盪で幻影でも見たのだろうと言う。安静にしていれば治る。マイケルはマーガレットを食堂に連れて行き、彼女は前と同じ席で、老婦人が窓に名前を記した“フロイ”の文字を発見する。確かに老婦人は存在した、だがなぜ行方をくらましたのだろうか。やがてこの事件は国家機密に関する謎に発展する…。アルフレッド・ヒッチコック監督。英国時代の代表作といえる。主演2人の掛け合いが楽しく、列車を最高の形で使っている。
2020年4月25日に日本でレビュー済み
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76年に水野晴郎さんの映画配給会社IPが「バルカン超特急」「逃走迷路」「第三逃亡者」という邦題でヒッチコックの旧作を本邦初公開したときに、映画館で観た。特に列車もの「バルカン超特急」は、お気に入りの作品となり廉価版DVDを買って、繰り返し観たりしている。AmazonPrimeにもあったので、久々に観てみた。ヒッチコック映画のファンなら、アメリカに渡ってからの作品などでみられるテクニックやユーモアが随所にみられるので楽しめるでしょう。冒頭の空撮(ミニチュアですが)から小さな村のホテルの窓に近づいていくショットなどワクワクする。列車に乗り込むまでが長いような気もするが、クリケット狂の英国紳士二人組など、貴婦人失踪のトリックの伏線を巧みに張っていたりする。列車は、コンパートメント型の客車に食堂車も付く、オリエント急行っぽいもので鉄道ミステリーの舞台にぴったり。当り前ではあるが、列車が常に走っている、そこで物語が進んでいるというところが、きちんと描かれている。車両が揺れる感じとか、車窓の眺めなど、「北北西に進路をとれ」の列車シーンなんかを思い出す。この映画、何度観ても、見飽きないのは作品の出来の良さ、上手く作られているというのが大きいが、個人的にはヒロイン、マーガレット・ロックウッドの魅力に負うところも大きいと思っている。美人なんだけどおきゃんな感じがいい。綺麗な顔立だし。彼女とマイケル・レッドグレーブ(バネッサ・レッドグレーブのお父さん)のコンビのユーモラスなやりとり、ストーリーを進行させる推進力(役回り)快調に演じています。後年、リメイクされたシビル・シェパード、エリオット・グールドのコンビによる「レディバニッシュ暗号を歌う女」も良かった。そっちも再見してみたい。