いろんな演奏を聴いてみたが、たまたま買ったショルティ盤を気に入っている。
もし宇宙で聴きたい10曲を選ぶとすれば、このCDは必ず入れたい。
静寂の中に消え入りそうな弱音から、目の前に屹立してくる音の大山脈まで、
評判通りダイナミックレンジは大きいが、扱い方がとても丁寧で精緻だと感じる。
シカゴ響の金管楽器の鳴りっぷり、伸び、切れの良さ、音色の美しさ。
弦の、オーガンジーのような繊細さと、漆黒の闇を思わせる豊潤な響きも素晴らしい。
注目される第3楽章では、長く張りつめた緊張感の中で畏怖と陶酔が続くのだが、
時に「慈愛」のようなものに包まれるように感じる。
そして、再び宇宙の鳴動と静寂の中へ。
ショルティ盤は、捉えがたい生き物のようだ。