第三の男 [DVD] FRT-005
フォーマット | ブラック&ホワイト |
コントリビュータ | バーナード・リー, ジョゼフ・コットン, オーソン・ウェルズ, トレヴァー・ハワード, キャロル・リード, アリダ・ヴァリ |
稼働時間 | 1 時間 45 分 |
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商品の説明
米国の西部作家ホリイ・マーティンスは、旧友ハリー・ライムに呼ばれて、四国管理下にある戦後のウィーンにやって来たが、ハリーは自動車事故で死亡しまさにその葬式が行われていた。マーティンスは墓場で英国のMPキャロウェー少佐と連れになり、ハリーが闇屋であったときかされたが、信ずる気になれなかった。ハリーは生前女優のアンナと恋仲であったが、彼女と知り合ったマーティンスは、彼女に対する関心も手伝ってハリーの死の真相を探ろうと決意、ハリーの宿の門衛などに訊ねた結果、彼の死を目撃した男が三人いることをつきとめた。そのうち二人はようやく判ったが、"第三の男だけはどうしても判明しないまま、マーティンスは何者かに脅かされはじめ、門衛も殺されてしまった。一方アンナは偽の旅券を所持する廉でソ連MPに粒致されることになり、それとも知らずに彼女の家から出て来たマーティンスは、街の物蔭に死んだ筈のハリー・ライムをみつけた。
登録情報
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4560285900052
- 監督 : キャロル・リード
- メディア形式 : ブラック&ホワイト
- 時間 : 1 時間 45 分
- 発売日 : 2006/12/14
- 出演 : ジョゼフ・コットン, バーナード・リー, オーソン・ウェルズ, アリダ・ヴァリ, トレヴァー・ハワード
- 販売元 : ファーストトレーディング
- ASIN : B000LZ6DVY
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 210,800位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 7,862位外国のミステリー・サスペンス映画
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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イメージ付きのレビュー
5 星
出来れば両方を! ※ブルーレイを追記します。
このレビューは、『第三の男 4Kデジタル修復版 [Blu-ray]』のレビューです。Amazon・マジック発動中!2019年8月2日発売のブルーレイを買ってレビューしたら、既にレビューしているのでダメ!だとさ。確かにレビューしていますが商品が違っています。以前レビューしたのはDVD。今回はブルーレイ。同タイトルをまとめてしまうAmazonさんの欠点。レビューを見てもDVDとブルーレイでは・・・・。文句をレビューしても始まらないので、4Kデジタル修復版のレビューをします。以前発売されたブルーレイ・ソフトと比較しましたが、画質アップしています。流石!4Kデジタル修復版。特に暗いシーンでは、その差がハッキリします。またフィルム・グレイン(フィルムの粒子)も多少目立ちますが、殆ど気になりませんでした。さらに目立ったフィルム傷やホコリなどもキレイに除去されています。本当に買って損はないソフトだと思います。それじゃ、以前買ったソフトは中古として売ってしまおうと考えるのはちょっと早い!オープニングのロンドン・フィルムの前に出て来る文字だけの数秒のカットが、今回の4Kデジタル修復版のソフトにはありません。とにかく旧ディスクもそのまま保存ですね。※これより先は、旧レビューです。この映画にはバージョン違いが存在します。イギリス公開版105分とアメリカ公開版100分です。両者を同時に再生し、二つのモニターで比較してみました。違いは簡単に書くと以下のような部分です。1.英国版と米国版では映画の最初に出てくるトレ−ドマ−クが、ロンドンフィルムとセルズニックで違っている。2.英国版の方がオ−プニング・タイトルが長く、音楽も最初からしっかりと聞くことが出来るが、米国版の方では、音楽も中途半端な感じで短い。3.製作者のタイトル文字が、英国版ではイギリス人の方を上にして書き、米国版ではセルズニック側の米国人の方が上になって書かれている。このオープニング・タイトルではスタッフの文字もすべて編集の仕方が違っていて英国版の方がスタッフの文字が沢山出てくる。4.主人公の最初の説明シーンで、英国版の方はカットが多く使用されているフィルムも違って時間も長い。また、説明の仕方も多少丁寧にキャロル・リード監督が説明しているのに対し、米国版の方では、ジョセフ・コットンがあっさりと簡単に説明している。5.ハリーの葬式の場面では、英国版の方が参列者のカットが多く時間も長いが、米国版の方では、カットも少なく時間も短い。6.葬式の後、ホリーを軍の少佐が車に乗るように誘うくだりでも、英国版の方が2〜3カット多く、時間も長い。 7.酒場の場面で小佐にホリーがハリーとのことを思い出しながら話す場面で、ホリーが話すハリーの思い出話が、英国版の方が長いうえ、二人の関係をよく説明したものになっているのに対し、米国版の方は、やはりあっさりと簡単に説明されている分、時間も短い。8.アパートの下でハリーの事故に出くわした犬を抱いたハリーの友人と、ホリーが会話をする場面で、英国版の方には建物の壁らしき物の方へ、話ながら歩いて近づくカットが挿入されているが、米国版の版の方にはそれがなく、一ヶ所でずっと立って話しているような流れになっている。9.アパートの管理人に事情を確認しているとき、ホリーが警察に詳しく話すように管理人にすすめるくだりで、管理人は事件に関わりたくないという理由でホリーと口喧嘩をするシーンがある。このとき管理人がボールを子供に投げるのだが、それを取りに行く子供のカットが英国版の方が多く、時間も長くなっている。10.ヒロインのアパートを警察が家捜ししているくだりで、管理人のおばあさんが愚痴を言っている場面がある。この場面で、ホリーがタバコをおばあさんにあげるまでの間で、おばあさんのカットが、英国版の方が多く、時間的にも長い。これによっておばあさんがかなり口うるさい人だと印象づけているが、米国版の方は短くなっているため、あまり口うるさい印象が伝わってこない。11.10の後、警察が証拠品をアパートから持ち出す場面でも、英国版の方がカットが多く時間も長い。12.ハリーの墓を掘り返し死体を確認するくだりで、米国版には、棺桶のアップのカットが挿入され、ハリー・ライムの文字が土の中から出て来るシーンがある。しかし、英国版の方にはそのカットはなく、あっさりと話を進行させている。このシーンは、米国版でしか見ることは出来ない。13.警察がヒロインを逮捕するためにアパートへ来たときのくだりで、彼女が着替えて出て来るまでのカットが、英国版の方が長い。14.ラストの見せ場になっている地下水道での追いかけの場面。ハリーが店を飛び出し地下水道に逃げ込むまでと、地下水道に逃げ込んで撃たれて倒れるまでのシーンが、英国版と米国版とでは、各カットの編集の仕方がまったく違っている。2本同時に見ていると、ぜんぜん違う映画を見ているように思えてくるほどで、米国版の方では、逃げ方に不自然さが感じられないような編集の仕方をしているのに対し、英国版の方は時間が長くカットも多いのではあるが、ハリーの逃げ方に不自然なところが見受けられる。例えば横に逃げた後のカットで、階段を降りて来るようなカットの編集をしていというような編集の仕方になっている。15.あまりにも有名なラスト・シーン。銀杏並木のなかをヒロインが奥の方から正面へ歩いて来る。それを横で車によりかかってみているホリー。この有名な場面でも、英国版の方が各カットの時間が長い。16.最後、THE ENDの後に出て来るクレジットが英国版にはないが、米国版の方には配役等のクレジットが主題曲と共に出て来る。○.その他にも、警察署のシーンや、橋の上で犯人たちが集合するシーン、ヒロインが涙するアップのシーン等が、英国版と米国版とでは若干違い、英国版の方が時間は若干長いことがわかります。ということで、出来れば2種類入れて欲しいと思ったのは私だけでしょうか?名作だけにブルーレイ化する時は、特典として両方を入れて欲しいものですね。やはり権利の問題でしょうかね?それでもとにかく、購入して我が家のお宝になったことは間違いありません。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2021年7月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1949年、英国製モノクロ作品で、カンヌ国際映画祭でのグランプリやアカデミー賞での監督・撮影・脚本ノミネート、米英の映画評論家うちでは歴代映画ベスト100が常連の名作とされる。
確かに光と影の演出が巧みなカメラワーク、キレの良い脚本、出演者達の魅惑的な表情や演技には間違いなく引き込まれる。
本作が面白い理由として一つは、第二次大戦後に一時的に米英仏ソに分割統治されていたオーストリア首都ウィーンが舞台で、各国進駐軍MPの流儀や価値観の違いが楽しめる。
次に、ウィーンに訪れた三流作家の米国人男性、主人公ホリー・マーチンスの無邪気な奔放さ、対する密入国したチェコ人ヒロインの苛烈すぎる愛情の深さ、英国MP少佐の合理的で紳士的な社会統治論との相克は、全く溶け合う素振りすら見せないので大いに笑えるのだが、それが往々にして国家レベルでスレ違うから、戦争が止まないのだと訴えているのが分かる。
それは、名優オーソン・ウェルズ演じるハリー・ライムが、観覧車で友人ホリーに語る有名な台詞にも端的に顕されている。
「ボルジア家支配のイタリアでの30年間は戦争、テロ、殺人、流血に満ちていたが、結局はミケランジェロ、ダヴィンチ、ルネサンスを生んだ。スイスの同胞愛、そして500年の平和と民主主義はいったい何をもたらした? 鳩時計だけだ」は、悪人の屁理屈ではあるが、世の真理を突く名セリフだ。
戦争やテロ、犯罪が、新たな革新を生むのだとの主張は、そう簡単には無視できない。特に同質性の高い日本では考えも付かないほど、様々な人種の価値観の十字路が戦後ウィーンだとすれば本作の深遠なる意図に惚れ惚れし、頭が下がるのだ。
いまだ平和が確立せず、戦勝国列強による分割統治も縄張り争いに混沌とする都市を舞台に、犯罪VS正義VS友情VS愛情の対立構図が明確なのに、それらが全く溶け合わないシナリオだから凄い。
唯一の不満は「何故、ハリー・ライムがこのタイミングで友人ホリー・マーチンスをわざわざ米国から呼び寄せたのか」が、事件捜査の都合で解らなかったことだ。
4Kデジタル修復後のBlu-ray画質は、年代を考えれば十分に及第点。一方、日本語音声はTV放映版が112分しかなく、全編1時間44分のうち32分が字幕だ。一度観終わると、吹替圧縮版だけが選べた。
サッポロヱビスのテーマ音楽となり、今や恵比寿駅ホームベルになって親しまれているチトーのギターの調べに乗せて、諦めの悪い男女のスレ違いや糸のもつれから、「合理的な平和社会を阻むのが、時に友情や愛情、悪などの人の欲望」とは、社会の折り合いとは何とも難しいものだと納得させられる、やはり噂に違わぬ傑作でした。
確かに光と影の演出が巧みなカメラワーク、キレの良い脚本、出演者達の魅惑的な表情や演技には間違いなく引き込まれる。
本作が面白い理由として一つは、第二次大戦後に一時的に米英仏ソに分割統治されていたオーストリア首都ウィーンが舞台で、各国進駐軍MPの流儀や価値観の違いが楽しめる。
次に、ウィーンに訪れた三流作家の米国人男性、主人公ホリー・マーチンスの無邪気な奔放さ、対する密入国したチェコ人ヒロインの苛烈すぎる愛情の深さ、英国MP少佐の合理的で紳士的な社会統治論との相克は、全く溶け合う素振りすら見せないので大いに笑えるのだが、それが往々にして国家レベルでスレ違うから、戦争が止まないのだと訴えているのが分かる。
それは、名優オーソン・ウェルズ演じるハリー・ライムが、観覧車で友人ホリーに語る有名な台詞にも端的に顕されている。
「ボルジア家支配のイタリアでの30年間は戦争、テロ、殺人、流血に満ちていたが、結局はミケランジェロ、ダヴィンチ、ルネサンスを生んだ。スイスの同胞愛、そして500年の平和と民主主義はいったい何をもたらした? 鳩時計だけだ」は、悪人の屁理屈ではあるが、世の真理を突く名セリフだ。
戦争やテロ、犯罪が、新たな革新を生むのだとの主張は、そう簡単には無視できない。特に同質性の高い日本では考えも付かないほど、様々な人種の価値観の十字路が戦後ウィーンだとすれば本作の深遠なる意図に惚れ惚れし、頭が下がるのだ。
いまだ平和が確立せず、戦勝国列強による分割統治も縄張り争いに混沌とする都市を舞台に、犯罪VS正義VS友情VS愛情の対立構図が明確なのに、それらが全く溶け合わないシナリオだから凄い。
唯一の不満は「何故、ハリー・ライムがこのタイミングで友人ホリー・マーチンスをわざわざ米国から呼び寄せたのか」が、事件捜査の都合で解らなかったことだ。
4Kデジタル修復後のBlu-ray画質は、年代を考えれば十分に及第点。一方、日本語音声はTV放映版が112分しかなく、全編1時間44分のうち32分が字幕だ。一度観終わると、吹替圧縮版だけが選べた。
サッポロヱビスのテーマ音楽となり、今や恵比寿駅ホームベルになって親しまれているチトーのギターの調べに乗せて、諦めの悪い男女のスレ違いや糸のもつれから、「合理的な平和社会を阻むのが、時に友情や愛情、悪などの人の欲望」とは、社会の折り合いとは何とも難しいものだと納得させられる、やはり噂に違わぬ傑作でした。
2024年3月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私が5歳の時に父に連れられこの映画を観ました、内容が分からずでした、その後この挿入曲が有名になりましたね、曲は何度も聞きましたが現在77歳になって改めて観ました。場面は殆ど記憶には有りませんでしたが今は亡き父の若き頃の手をつなぐ感触が・・・。
2022年11月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
終戦直後の三国統治の国が舞台なので不思議なストーリー。
2024年1月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何度も見たくなる
2023年7月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今見るとナイター多いのに暗い。イライラする。
アメリカ人が観たその陰の部分に隠れたヨーロッパなんだろうけど
死んだの?葬式で遺体みないの?とか無視なストーリーがハッキリしないでイライラする
旅行気分があの間抜けた楽器のメジャーな伴奏と一致したんだろうな
アメリカ人が観たその陰の部分に隠れたヨーロッパなんだろうけど
死んだの?葬式で遺体みないの?とか無視なストーリーがハッキリしないでイライラする
旅行気分があの間抜けた楽器のメジャーな伴奏と一致したんだろうな
2022年12月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『第三の男』(The Third Man)('49)
出演∶ジョゼフ・コットン、アリダ・ヴァリ、オーソン・ウェルズ、トレヴァー・ハワード、バーナード・リー、パウル・ヘルビガー、エルンスト・ドイッチュ、ジークフリート・ブロイアー、エリッヒ・ポント、ウィルフリッド・ハイド=ホワイト
監督∶キャロル・リード
字幕付きの外国映画など見に行ったこともなかった小学生時代。それでも"名画""傑作"と言われる有名作品のタイトルの幾つかは、耳に入ってきて知っていた。『駅馬車』『シェーン』『ローマの休日』『風と共に去りぬ』そして、本作『第三の男』などであった。
小学生当時('60年代)はまだ、'70年代のようにTVの吹替え洋画番組が乱立してなかったため(もちろんレンタルビデオなどなかった)、それらの映画を劇場(再上映or名画座)やTVで見る機会を得たのは、高校·大学時代になってからであった。当時に比べると、DVD(Blu-ray)とワイド画面テレビが普及した現代は、映画ファンにとっては天国ですね(笑)
[物語] 終戦直後のオーストリア、ウィーン。アメリカの三文小説家ホリー·マーティンス(コットン)は、親友ハリー·ライム(ウェルズ)の誘いに応じ、職を求めてやってきた。だが、ライムのアパートを訪ねると、彼は交通事故で死んだと管理人(ヘルビガー)に告げられる。
墓地で行われているライムの葬儀(埋葬)に参列したホリーに、英軍MPのキャロウェイ少佐(ハワード)が近づいてくる。少佐は、ライムは札付きの密売人だったと告げ、ホリーに翌日の便で帰国するよう促して部下のペイン軍曹(リー)を見張りにつけ、宿に案内させる。そこに、ライムの友人·クルツ男爵と名乗る男から電話が…。
ホリーは、クルツ(ドイッチュ)から、ハリーの恋人の舞台女優アンナ(ヴァリ)の存在を聞き、彼女を訪ねる。ハリーの死の真相を知りたいホリーは、GHQ文化部のクラビン(ハイド=ホワイト)から小説家として講演依頼されたのを口実に、帰国を延期する。ハリーの事故死に立ち会った人物が、クルツを始めハリーの知己ばかりという不自然な事実を管理人から聞いたホリーの胸に疑念が芽生える。
だが、その管理人が何者かに殺害されてしまう。事件の真相を暴こうとするホリーとアンナ。ある夜、闇の街角から自分の動きを窺う謎の人物に気づいたホリー。次の瞬間、街の灯りに浮かび上がったその人物の顔は、死んだはずのハリー·ライムその人であった……!
親友ハリーが戦後の混乱に乗じて粗悪な薬品の密売で稼ぎ、多くの死者や廃人を出している実態を知ったホリー。そんなホリーを協力者に仕立て、密売組織を摘発したいキャロウェイ少佐。恋人ハリーが手配してくれた偽造旅券のおかげで混乱期を生き延びているアンナ……それぞれの思惑が絡まり合って、物語は緊迫のクライマックスへと突入してゆく。
この映画の数々のシーンやエピソードは、皆どこかで見たような既視感を覚えさせる。それほど後世の映画に"マネ"された"名作"ということだろうか。日本映画『霧笛が俺を呼んでいる』などは、(『第三の男』を見た人なら)すぐに分かるほど意識的にストーリーを"イタダイて"いるが、なかなか面白い。
『霧笛が〜』の数ヶ月後に事故死する主演の赤木圭一郎がカッコいい。のちに『黒部の太陽』『忍ぶ川』『サンダカン八番娼館 望郷』『海と毒薬』などの監督作品で日本を代表する監督になる熊井啓が巧みに翻案した脚本もなかなかだ。何よりも、"元ネタ"には出てこない"死んだはずの親友"の妹役の吉永小百合が初々しくて可愛い(なんと15歳!)。あ、脱線脱線(笑) 話を元へ…
『第三の男』の、地下に広がる下水道を舞台にしたクライマックスなどは、あまりに多くの外国映画に模倣されているので、本作のイタダキであることすら忘れられているのでは……?(笑) さすがに日本には、アクションの舞台になるような立派な下水道はないので、使われるとすれば、アニメぐらいか。(『未来少年コナン』とか『ルパン三世 カリオストロの城』とか)
この映画、アメリカのプロデューサー·俳優·資本も入っているが、映画の"国籍"としてはイギリス映画だろう。だが、ジャンル的には1940〜50年代にアメリカで盛んに作られたフィルム·ノワールのカテゴリーに分類されるようだ。たしかに、夜のシーンが多く、光と闇のコントラストを強調した白黒画面と胡散臭い人物たちが織りなす犯罪サスペンス劇は、そのジャンルの要件を満たしている。
イギリスの某新聞が選出した「フィルム·ノワールTOP 10」にも選ばれているようだ。『三つ数えろ』『黒い罠』『深夜の告白』『過去を逃れて』などアメリカ映画が主で、非アメリカ映画は『第三の男』と、フランス映画『死刑台のエレベーター』の2本だけだったようです。
出演∶ジョゼフ・コットン、アリダ・ヴァリ、オーソン・ウェルズ、トレヴァー・ハワード、バーナード・リー、パウル・ヘルビガー、エルンスト・ドイッチュ、ジークフリート・ブロイアー、エリッヒ・ポント、ウィルフリッド・ハイド=ホワイト
監督∶キャロル・リード
字幕付きの外国映画など見に行ったこともなかった小学生時代。それでも"名画""傑作"と言われる有名作品のタイトルの幾つかは、耳に入ってきて知っていた。『駅馬車』『シェーン』『ローマの休日』『風と共に去りぬ』そして、本作『第三の男』などであった。
小学生当時('60年代)はまだ、'70年代のようにTVの吹替え洋画番組が乱立してなかったため(もちろんレンタルビデオなどなかった)、それらの映画を劇場(再上映or名画座)やTVで見る機会を得たのは、高校·大学時代になってからであった。当時に比べると、DVD(Blu-ray)とワイド画面テレビが普及した現代は、映画ファンにとっては天国ですね(笑)
[物語] 終戦直後のオーストリア、ウィーン。アメリカの三文小説家ホリー·マーティンス(コットン)は、親友ハリー·ライム(ウェルズ)の誘いに応じ、職を求めてやってきた。だが、ライムのアパートを訪ねると、彼は交通事故で死んだと管理人(ヘルビガー)に告げられる。
墓地で行われているライムの葬儀(埋葬)に参列したホリーに、英軍MPのキャロウェイ少佐(ハワード)が近づいてくる。少佐は、ライムは札付きの密売人だったと告げ、ホリーに翌日の便で帰国するよう促して部下のペイン軍曹(リー)を見張りにつけ、宿に案内させる。そこに、ライムの友人·クルツ男爵と名乗る男から電話が…。
ホリーは、クルツ(ドイッチュ)から、ハリーの恋人の舞台女優アンナ(ヴァリ)の存在を聞き、彼女を訪ねる。ハリーの死の真相を知りたいホリーは、GHQ文化部のクラビン(ハイド=ホワイト)から小説家として講演依頼されたのを口実に、帰国を延期する。ハリーの事故死に立ち会った人物が、クルツを始めハリーの知己ばかりという不自然な事実を管理人から聞いたホリーの胸に疑念が芽生える。
だが、その管理人が何者かに殺害されてしまう。事件の真相を暴こうとするホリーとアンナ。ある夜、闇の街角から自分の動きを窺う謎の人物に気づいたホリー。次の瞬間、街の灯りに浮かび上がったその人物の顔は、死んだはずのハリー·ライムその人であった……!
親友ハリーが戦後の混乱に乗じて粗悪な薬品の密売で稼ぎ、多くの死者や廃人を出している実態を知ったホリー。そんなホリーを協力者に仕立て、密売組織を摘発したいキャロウェイ少佐。恋人ハリーが手配してくれた偽造旅券のおかげで混乱期を生き延びているアンナ……それぞれの思惑が絡まり合って、物語は緊迫のクライマックスへと突入してゆく。
この映画の数々のシーンやエピソードは、皆どこかで見たような既視感を覚えさせる。それほど後世の映画に"マネ"された"名作"ということだろうか。日本映画『霧笛が俺を呼んでいる』などは、(『第三の男』を見た人なら)すぐに分かるほど意識的にストーリーを"イタダイて"いるが、なかなか面白い。
『霧笛が〜』の数ヶ月後に事故死する主演の赤木圭一郎がカッコいい。のちに『黒部の太陽』『忍ぶ川』『サンダカン八番娼館 望郷』『海と毒薬』などの監督作品で日本を代表する監督になる熊井啓が巧みに翻案した脚本もなかなかだ。何よりも、"元ネタ"には出てこない"死んだはずの親友"の妹役の吉永小百合が初々しくて可愛い(なんと15歳!)。あ、脱線脱線(笑) 話を元へ…
『第三の男』の、地下に広がる下水道を舞台にしたクライマックスなどは、あまりに多くの外国映画に模倣されているので、本作のイタダキであることすら忘れられているのでは……?(笑) さすがに日本には、アクションの舞台になるような立派な下水道はないので、使われるとすれば、アニメぐらいか。(『未来少年コナン』とか『ルパン三世 カリオストロの城』とか)
この映画、アメリカのプロデューサー·俳優·資本も入っているが、映画の"国籍"としてはイギリス映画だろう。だが、ジャンル的には1940〜50年代にアメリカで盛んに作られたフィルム·ノワールのカテゴリーに分類されるようだ。たしかに、夜のシーンが多く、光と闇のコントラストを強調した白黒画面と胡散臭い人物たちが織りなす犯罪サスペンス劇は、そのジャンルの要件を満たしている。
イギリスの某新聞が選出した「フィルム·ノワールTOP 10」にも選ばれているようだ。『三つ数えろ』『黒い罠』『深夜の告白』『過去を逃れて』などアメリカ映画が主で、非アメリカ映画は『第三の男』と、フランス映画『死刑台のエレベーター』の2本だけだったようです。
2021年1月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大人になって見るまでに、いろんな影響を受けた、または真似した作品を散々見てきました。
代表的なものは藤子不二雄さんの漫画ですね。「まんが道」でも一番印象深い映画は「第三の男」でしょうね。舞台的な使い方では桑田次郎さんの「まぼろし探偵・死沼の巻」なんかです。
初見ではハリー・ライムが消えるシーンを見ると「まぼろし探偵は丸々この映画から取っていたのか」などと考えがいって映画の内容などは頭に入ってきませんでした。
二度目を見たときにはグレアム・グリーン(原作者)をすでに知っていたのでうがった見方をしていたようです。グリーンがキム・フィルビー(イギリスMI6の高官、実はソ連のスパイだった)の部下だったので、アメリカ人のように単細胞に生まれていれば、複雑な戦争体験者を、正義の名の下に、行動的に、告発できてうらやましいなあ、という感情で主人公を作ったのだと考えました。友情を売る渋みを表わす映画だと思ったわけです。
その後、映画評論家の町山智浩さんの解説を聞きました。どうももっと深い内容の映画だったようで、なんとなく恥ずかしいです。
町山解説で一番驚いたのは、最初に主人公ホリーに近付いてくる男、クルツ男爵の名前を「闇の奥」(「地獄の黙示録」の原作)から取っていて影響を受けているということでした。ハリー・ライムとカーツ大佐は同一線上の人間だったわけですね。
代表的なものは藤子不二雄さんの漫画ですね。「まんが道」でも一番印象深い映画は「第三の男」でしょうね。舞台的な使い方では桑田次郎さんの「まぼろし探偵・死沼の巻」なんかです。
初見ではハリー・ライムが消えるシーンを見ると「まぼろし探偵は丸々この映画から取っていたのか」などと考えがいって映画の内容などは頭に入ってきませんでした。
二度目を見たときにはグレアム・グリーン(原作者)をすでに知っていたのでうがった見方をしていたようです。グリーンがキム・フィルビー(イギリスMI6の高官、実はソ連のスパイだった)の部下だったので、アメリカ人のように単細胞に生まれていれば、複雑な戦争体験者を、正義の名の下に、行動的に、告発できてうらやましいなあ、という感情で主人公を作ったのだと考えました。友情を売る渋みを表わす映画だと思ったわけです。
その後、映画評論家の町山智浩さんの解説を聞きました。どうももっと深い内容の映画だったようで、なんとなく恥ずかしいです。
町山解説で一番驚いたのは、最初に主人公ホリーに近付いてくる男、クルツ男爵の名前を「闇の奥」(「地獄の黙示録」の原作)から取っていて影響を受けているということでした。ハリー・ライムとカーツ大佐は同一線上の人間だったわけですね。
他の国からのトップレビュー
Martin Velez
5つ星のうち5.0
Buena película
2023年10月17日にメキシコでレビュー済みAmazonで購入
Buena película, buen costo-beneficio.
Mr Robert Ian Mason
5つ星のうち5.0
Great film
2024年6月6日に英国でレビュー済みAmazonで購入
The Third Man is one of the greats. Stylish and innovative camera work, every scene is tightly put together, and extremely evocative of a post-war central Europe still in turmoil. The DVD played well on my old basic player, and plenty of extras for film buffs, including interviews with a couple of folk involved on the production side, with lots of insights of the great director Carol Reed. Excellent value for money.
Gilbert Faes
5つ星のうち5.0
Aankoop Le Troisiéme Homme ( Blu-ray )
2023年12月19日にベルギーでレビュー済みAmazonで購入
100 % OK Goede verzending en besteld item beantwoorde volledig aan de beschrijving
van de verkoper ( uiterst tevreden )
:-):-):-)
van de verkoper ( uiterst tevreden )
:-):-):-)
Sean Curley
5つ星のうち5.0
A moody trip through postwar Europe.
2008年6月29日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
Graham Greene is one of the most acclaimed authors of the 20th century, and, unlike many such literary talents, he recognized the merits of film, and took work as a screenwriter for the British film industry, including several collaborations with producer/director Carol Reed, of which "The Third Man" is the most famous. Greene's works tend to be divided into two main genres: his meditations on Catholicism in the modern world ("The Power and the Glory", for example) and his work in the spy and crime genres, the category to which "The Third Man" belongs. It is also the high-watermark for director/producer Reed, though he would only earn his Best Director Oscar some two decades later with the musical "Oliver!" "The Third Man" is one of the great achievements in film noir, and, perhaps, in film in general.
Greene's path in researching the film is in many ways mirrored by the character he ended up creating, one Holly Martins (Joseph Cotten, a prolific actor of the era who never reached the level of recognition of Stewart, Grant, or Bogart); arriving in Vienna, Greene prowled the bombed-out streets and drank in the Casanova Club, talking with local officials. He was inspired by stories of postwar shortage, organized smuggling, and the interaction of the four great powers in the early days of the Cold War. Martins arrives, having been summoned by his prewar friend Harry Lime (Orson Welles, in what is, apart from Charles Foster Kane, his most famous role), only to find on arrival that Lime has been mysteriously killed in a car accident. The local British security chief, Major Calloway (Trevor Howard) insinuates that Harry was a notorious racketeer involved in everything up to and including murder, and Martins, a writer of pulp novelettes about gunslingers, refuses to let that explanation stand. He delves deeper into Harry's world, from acquaintances such as Baron Kurtz (Ernst Deutch, who couldn't appear less trustworthy if he tried) and Dr. Winkle (Erich Ponto), who were both present at his death, and, most importantly, Anna Schmidt (Alida Valli), a Czech living in Austria on a forged passport provided by Lime to help her avoid repatriation to Soviet-held territory. Martins' first big lead? Witness reports that an unidentified third man was present at Lime's death.
"The Third Man"'s plot suffers from a case of what TV Tropes would call a 'Rosebud': the fact that the main plot twist is common knowledge because of the movie's notoriety (and, like the original Rosebud, Orson Welles is involved). We all know that Harry Lime isn't actually dead because he is due to appear and give him famous speech about cuckoo clocks (though Welles is listed in the opening credits, so perhaps it was never that big a secret). However, there is still plenty in the movie for the viewer to be surprised about, just as "Citizen Kane" retains its lustre.
The movie has several great performances, starting with Cotten as the 'very American' (in the worlds of Peter Bogdanovich) lead man, Alida Valli as Anna, Trevor Howard as Calloway, and an enjoyable comic turn from Bernard Lee (later M to the Connery, Lazenby, and Moore incarnations of James Bond) as Calloway's batman, a sergeant who is quite a fan of Holly's writing. The performance that everyone always ends up talking about is Welles, however, in what amounts to an extended cameo (two scenes, the second with basically no dialogue).
The other notable production components include the music, provided by Anton Karas on his zither string instrument, who was hired on the spur of the moment after impressing the director at a wartime party, and it was an inspired choice, though it may jar some people expecting more traditional noir stuff. The film is filmed in the actual postwar Vienna, still a place of ruined buildings, providing for a very high level of verisimilitude.
Criterion's DVD version provides an extensive selection of extras, including several commentaries, features on the film's production, and, best of all, several older segments that include an interview with Greene on his career, and some old newsreels spotlighting the Vienna of the period, and showing the level of detail that Reed and company were able to capture.
Greene's path in researching the film is in many ways mirrored by the character he ended up creating, one Holly Martins (Joseph Cotten, a prolific actor of the era who never reached the level of recognition of Stewart, Grant, or Bogart); arriving in Vienna, Greene prowled the bombed-out streets and drank in the Casanova Club, talking with local officials. He was inspired by stories of postwar shortage, organized smuggling, and the interaction of the four great powers in the early days of the Cold War. Martins arrives, having been summoned by his prewar friend Harry Lime (Orson Welles, in what is, apart from Charles Foster Kane, his most famous role), only to find on arrival that Lime has been mysteriously killed in a car accident. The local British security chief, Major Calloway (Trevor Howard) insinuates that Harry was a notorious racketeer involved in everything up to and including murder, and Martins, a writer of pulp novelettes about gunslingers, refuses to let that explanation stand. He delves deeper into Harry's world, from acquaintances such as Baron Kurtz (Ernst Deutch, who couldn't appear less trustworthy if he tried) and Dr. Winkle (Erich Ponto), who were both present at his death, and, most importantly, Anna Schmidt (Alida Valli), a Czech living in Austria on a forged passport provided by Lime to help her avoid repatriation to Soviet-held territory. Martins' first big lead? Witness reports that an unidentified third man was present at Lime's death.
"The Third Man"'s plot suffers from a case of what TV Tropes would call a 'Rosebud': the fact that the main plot twist is common knowledge because of the movie's notoriety (and, like the original Rosebud, Orson Welles is involved). We all know that Harry Lime isn't actually dead because he is due to appear and give him famous speech about cuckoo clocks (though Welles is listed in the opening credits, so perhaps it was never that big a secret). However, there is still plenty in the movie for the viewer to be surprised about, just as "Citizen Kane" retains its lustre.
The movie has several great performances, starting with Cotten as the 'very American' (in the worlds of Peter Bogdanovich) lead man, Alida Valli as Anna, Trevor Howard as Calloway, and an enjoyable comic turn from Bernard Lee (later M to the Connery, Lazenby, and Moore incarnations of James Bond) as Calloway's batman, a sergeant who is quite a fan of Holly's writing. The performance that everyone always ends up talking about is Welles, however, in what amounts to an extended cameo (two scenes, the second with basically no dialogue).
The other notable production components include the music, provided by Anton Karas on his zither string instrument, who was hired on the spur of the moment after impressing the director at a wartime party, and it was an inspired choice, though it may jar some people expecting more traditional noir stuff. The film is filmed in the actual postwar Vienna, still a place of ruined buildings, providing for a very high level of verisimilitude.
Criterion's DVD version provides an extensive selection of extras, including several commentaries, features on the film's production, and, best of all, several older segments that include an interview with Greene on his career, and some old newsreels spotlighting the Vienna of the period, and showing the level of detail that Reed and company were able to capture.