アントニオは長い失業のすえ、ようやく映画のポスター貼りの仕事を得た。仕事に必要な自転車を質屋から請け出すために彼はシーツを質に入れた。六歳の息子ブルーノを自転車に乗せ、彼はポスターを貼ってまわった。ところがちょっとしたすきに自転車が盗まれてしまった。自転車がなければまた失業だ。アントニオは無駄とはわかっていても警察に行った。毎日何千台も盗まれている時だ、警察は相手にしてくれない。こうしてアントニオ親子の自転車探しがはじまった。ローマの朝早く、2人は古自転車の市場に行った。ここで泥棒らしき男に会うが、証拠がない。その男と話していた乞食の跡をつけるが、乞食も逃げ出す。途方にくれて女占い師を訪ねるが、もちろんなんの答えもでない。いらいらしてついブルーノにあたってしまう。偶然泥棒を発見したが、かえって仲間にやられそうになる。ブルーノの機転で警官が来るが、肝心の自転車はなかった…。