ボンブラは活動再開第2弾シングルとして激熱ラテンロックナンバーを突きつけてきた。へヴィに刻むギター・怒涛のように畳み掛けるパーカッションを始めとするサウンドはかつて無い程の分厚さで、更にBメロでタメ→サビで爆発するアンナの情熱的なヴォーカルはさながら球速100マイルの剛球ピッチャーのよう。年がら年中ミディアム/バラードをリリースする「歌姫」とか、ヤサグレた演出だけでロックを気取る輩は山ほどいるが、このスピード・ドライヴ感を(伸びやかで健康的に)出せる女性ヴォーカリストが今のJ-POPにどれだけいるだろうか。そして何より楽曲に勢いと力強さが有り、活動5年目の今が一番テンションが高いことを証明している(凛々氏の歌詞もセクシー!)。
カップリングは2曲とも充実した内容だが、同時に作り手の潔さも伺える。必殺バラードのM-2をA面に持ってくることをせず、M-3にしても「卒業ソング」とも取れる歌詞なのに(「だいじょうぶ!!My friend」のアンサーソング?)、タイトルに「桜」を付けるとかして売りにすることも避け、トランペットが響く正調レゲエナンバーとしてさり気なく収録しているところもスマート。
プロモーションの制約、歌番組を始めとするTVメディアからの黙殺によりCDセールスに芳しい結果は出ていないが、「異色アイドルグループ」として認識される女の子5人組が、日本でも稀な形態の「バンド」としてストイックに研鑽を重ね、良質な楽曲と素晴らしいライヴパフォーマンスを輩出している事実は無視出来ない所まで来ている。
今年の夏は不特定多数の観客を相手にするミュージックフェスに参加することを強く望む。それだけの実力は十分身につけている筈だし、ボンブラを知らない人々も一度ライヴを体験すれば魅了されるのは間違いない。全国のJ-POP系フェス主催者よ、勇気があるならボンブラにオファー出してみろ!