『地獄の戦場』(Halls of Montezuma / 別題:Okinawa)('50)
出演∶リチャード・ウィドマーク、ジャック・パランス、レジナルド・ガーディナー、ロバート・ワグナー、カール・マルデン、リチャード・ハイルトン、 リチャード・ブーン、ネヴィル・ブランド、スキップ・ホメイヤ 、マーティン・ミルナー、バート・フリード、ジャック・ウェッブ
監督:ルイス・マイルストン
子供の頃から、戦争映画や戦時中が背景のドラマを多く見て育った。また、夏場になると終戦特集や原爆記念日に絡んだTV番組や特集記事が風物詩となる時代を過ごしてきたせいか、毎年夏ごろになると無意識のうちに戦争映画(なかんずく太平洋戦争もの)のDVDを選んで見てしまう。
今回は『地獄の戦場』。 見るのは初だ。大好きなリチャード·ウィドマークの主演作ということで、いつか見ようと以前に買って、仕舞い込んで忘れていたDVDの蔵出しだ。あの反戦映画の古典的名作として知られる『西部戦線異状なし』のルイス・マイルストン監督の作品だが、本作はそんな"深い"作品ではなく、娯楽アクション戦争映画の色合いが濃い。
反戦的メッセージが感じられる部分もあるが(←これは、どんな戦争娯楽映画にもある?)、製作時期が朝鮮戦争勃発直後ということもあり、アメリカ的には"戦意高揚映画"とも考えられる。
[物語] 第二次大戦、南太平洋戦線。本職は高校教師の海兵隊少尉アンダーソン(ウィドマーク)は、ある島の上陸作戦に参加していた。以前の作戦で部下の多くを死なせ、その苦悩から偏頭痛に悩まされる日々だ
彼の部隊の面々は、歴戦のピジョン軍曹(パランス)、日本語に堪能なジョンソン軍曹(ガーディナー)、勇猛なゼレンコ軍曹(ブランド)、密造酒·密売の常習犯スラッテリー(フリード)、衛生兵のドク(マルデン)、若武者コフマン(ワグナー)、少尉の元教え子コンロイ(ハイルトン)、生意気盛りの"坊や"(ホメイヤ)それに、従軍特派員ディッカーマン記者(ウェッブ)らだった。
上陸作戦には成功したものの、島を占拠する日本軍は、丘の上に陣取り、丘陵地帯の何処か不明の場所から無数のロケット弾を降らせてくるので、海兵隊は足止めを喰らい、いたずらに犠牲者が増えるのみだった。敵兵は殺さず、生け捕りにしてロケット弾基地の場所を白状させろ、というのが司令部の絶対命令だった。
アンダーソン少尉の部隊は、何人もの犠牲を出しながら、丘の上の洞窟に潜む数名の日本兵を捕虜にすることに成功する。頑固に口を割らない兵士たち。やたら英語の上手い元ガイドだという日本兵も、のらりくらりと肝心な情報は漏らさない。日本兵たちの言動や数少ない手掛かりから、ロケット弾基地を探る少尉たちだが、その間にも犠牲者は後を絶たず、焦燥は募る……。
1950年の古い作とは思えないぐらい、戦闘シーンはなかなかの迫力だ。実際の戦争当時の記録フィルムも巧みに混ぜてある。(画像の粗さで判ってしまうが……) 名悪役のジャック·パランスやネヴィル·ブランドは、硬派の下士官にぴったりだし、名優カール·マルデンや、スターになる直前(?)のロバート·ワグナーが見られるのも嬉しい。西部劇『拳銃王』『決闘! コマンチ砦』で生意気な若造を好演したスキップ·ホメイアの屈折青年ぶりもハマっている。
この映画、アメリカ本国での公開は1950年なのに、日本公開は(データで見ると)1965年となっている。なぜだろう? 必要以上に日本側を悪く描いているわけでもないし……。たしかに'50年代あたりのアメリカ映画には、時に"国辱もの"と言われるぐらいの"勘違いJAPAN"が出てくることも多いのだが……(笑)
地獄の戦場 スタジオ・クラシック・シリーズ [DVD]
¥3,278 ¥3,278 税込
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フォーマット | 色 |
コントリビュータ | ルイス・マイルストン, リチャード・ウィドマーク, ジャック・パランス, ロバート・ワグナー |
言語 | 英語 |
稼働時間 | 1 時間 54 分 |
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商品の説明
地獄の戦場で闘う男の苦悩と葛藤
大スケールで戦闘シーンを再現した戦争巨編
<キャスト&スタッフ>
アンダースン少尉:リチャード・ウィドマーク
ピジョン:ジャック・パランス
ジョンスン軍曹:レジナルド・ガーディナー
コフマン:ロバート・ワグナー
監督:ルイス・マイルストン
製作:ロバート・バッスラー
脚本:マイケル・ブランクフォート
●字幕翻訳:森本務
<ストーリー>
第二次世界大戦下の南太平洋。アメリカ海軍中退が重要拠点となる洋上の孤島に上陸した。しかしそこでは日本軍のロケット砲による激しい攻撃が待っていた。隊長であるアンダースン少尉はロケット砲を破壊しようと敵地に進軍するが…。
<ポイント>
●南太平洋上孤島で繰り広げられる米海兵隊員たちの死闘を描いた本格戦争映画。
●50台のシャーマン戦車、200機のコルセア戦闘機、太平洋艦隊など、迫力の戦闘シーンをバックに死闘が浮き彫りにされる。
●リチャード・ウィドマーク、ジャック・パランス、ロバート・ワグナー等、豪華オールスターキャストが出演。
登録情報
- アスペクト比 : 1.33:1
- 言語 : 英語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4988142484826
- 監督 : ルイス・マイルストン
- メディア形式 : 色
- 時間 : 1 時間 54 分
- 発売日 : 2007/4/6
- 出演 : リチャード・ウィドマーク, ジャック・パランス, ロバート・ワグナー
- 字幕: : 日本語, 英語
- 販売元 : 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- ASIN : B000MR9B2O
- ディスク枚数 : 1
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年11月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
を考えてみれば、この年朝鮮戦争が勃発し、南と北に真っ二つに分断され、
台頭著しい社会主義とアメリカを中心とした自由主義が真っ向から対決し、
代理戦争の様相を呈していた。
そんな時に作られたこの作品は太平洋戦争のイメージを色濃く残した
リアリティ溢れる内容のはずなのだが、今一歩、地獄の~というイメージには
届いていない。
確かに戦友が次々と戦闘で倒れては行くが、日本兵の捕虜を確保せよ、との
上からの命令でリスクの高い戦いを強いられてはいるものの、日本軍の
ロケット弾がひっきりなしに近くに着弾している割には何かのんびりした
雰囲気が感じられてしまうんだね。
台頭著しい社会主義とアメリカを中心とした自由主義が真っ向から対決し、
代理戦争の様相を呈していた。
そんな時に作られたこの作品は太平洋戦争のイメージを色濃く残した
リアリティ溢れる内容のはずなのだが、今一歩、地獄の~というイメージには
届いていない。
確かに戦友が次々と戦闘で倒れては行くが、日本兵の捕虜を確保せよ、との
上からの命令でリスクの高い戦いを強いられてはいるものの、日本軍の
ロケット弾がひっきりなしに近くに着弾している割には何かのんびりした
雰囲気が感じられてしまうんだね。
2021年6月7日に日本でレビュー済み
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西部劇でも成立するこの2人の俳優が共演していると、なんだか嬉しくなる。旧日本軍のロケット弾による攻撃がああも苛烈だったかは分からないが、派遣されている米兵それぞれの背景や苦悩はうかがえた。
2020年3月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
葛藤の先にアメリカの価値観があると訴える戦争映画。その試金石となったのが日本人の価値観。出汁に使われても、この映画に高評価を付けられるとはおめでたい。
2023年5月6日に日本でレビュー済み
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今のような派手なCGなどはないが、泥臭い
戦場の風景が映し出されていた。
日本兵とのやりとりも斬新で見ごたえあった。
合成映像もいくらかあったが、当時の技術にしては
よくやった方だと思うのでそこはご愛敬。
戦場の風景が映し出されていた。
日本兵とのやりとりも斬新で見ごたえあった。
合成映像もいくらかあったが、当時の技術にしては
よくやった方だと思うのでそこはご愛敬。
2021年5月14日に日本でレビュー済み
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ミリタリーマニアが食いつかないのは何故 日本軍との戦いだから、帝国のロケット砲やアメリカの太平洋用舟艇などが見れるのに
2020年5月8日に日本でレビュー済み
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朝鮮人の安なんとかという俳優を除いては、細部にとてもこだわってる。というか、本物がいくらでも使えた時代だから。対日戦の映画を作って、日本人以外の(安は日本人であったこともない)東洋人に長いせりふを与えても、日本で高い評価が得られるわけがない(5付けちゃったけど)
揚陸艦船(たぶんアシュランド級のドック型揚陸艦)の音までちゃんと往復動蒸気機関で再現してる。
ドック型が小型軌道式車両を降ろす時間に、先に出た舟艇がオーバルの周回経路で待機するシーンとか。
戦後朝鮮動乱までの期間、各ブランチは次なる戦間期の予算獲得のために、積極的に映画製作に協力したが、陸軍の作品が人種隔離編成から混合編成への境目にあったため、当時の映画業界が受け入れられないほど(商業的に)ポリコレだったのに対し、海軍、海兵隊にはそういう制約がほとんどなかった。その結果傑作が多く生まれたのだと思います。 ゴーマー・パイルUSMCなどにも続きます。
揚陸艦船(たぶんアシュランド級のドック型揚陸艦)の音までちゃんと往復動蒸気機関で再現してる。
ドック型が小型軌道式車両を降ろす時間に、先に出た舟艇がオーバルの周回経路で待機するシーンとか。
戦後朝鮮動乱までの期間、各ブランチは次なる戦間期の予算獲得のために、積極的に映画製作に協力したが、陸軍の作品が人種隔離編成から混合編成への境目にあったため、当時の映画業界が受け入れられないほど(商業的に)ポリコレだったのに対し、海軍、海兵隊にはそういう制約がほとんどなかった。その結果傑作が多く生まれたのだと思います。 ゴーマー・パイルUSMCなどにも続きます。
2020年3月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
幼いころにTVで見たシーンの断片が、まさかこの映画だったは。上陸したM4に歓喜する兵士、捕虜の日本兵の尋問など鮮明に覚えていました。そして今改めて見返すと、けっこういい映画だったんだなぁと思います。
お決まりのカタコトな日本兵ですが、それでも最近の某真珠湾攻撃の映画などよりはよく描いていていると思います。古い映画なのでCG全盛の今の映画のような派手さはありませんが、敵味方の兵士の生死を描いているという点では他のプロパガンダ映画よりは評価できると思います。
お決まりのカタコトな日本兵ですが、それでも最近の某真珠湾攻撃の映画などよりはよく描いていていると思います。古い映画なのでCG全盛の今の映画のような派手さはありませんが、敵味方の兵士の生死を描いているという点では他のプロパガンダ映画よりは評価できると思います。