「Hi-Fly」のフルートとベースのデュオ、それに「God Bless the Child」のバスクラ独奏が超名演とのことで、聴いてみたわけで、ライナーでもそのように解説してる。その2曲に引き換え、地元ヨーロッパ勢は若手ミュージシャン?との事で、その未熟さがドルフィーの足を引っ張っているともあったが、自分が先入観なしに聴くと、フルバンドの「Oleo」も決して悪くはない。ただし、なんとなく想像つくのは、ピアノもドラムも、この時代のアメリカの一流どころプレイヤーと比べると、かなり荒削りで、ドラムなんかは、スピード感と迫力はあるが、やや一本調子で音の強弱などにヒネリが足りなくはある。そりゃあ本来のドルフィーの共演者、ロイ・ヘインズやエド・ブラックウェルやトニー・ウィリアムスと比べるのは酷。だが・・・意外とドルフィーは気分よく吹いているようにも思う。ゴツゴツして、後の世のロックドラミングみたいな感じは、ドルフィーの感性には、割合捨てがたいと思ったから、共演を残したのでは?
反面、多分だが、静かめな曲を共演すると、粗削りで小技の無さがあらわになる(「Glad to Be Unhappy」とか)から、ドルフィーの独演が多くなったのではないか?とも。 「God Bless the Child」は、流石に素晴らしい表現力で圧倒される。これをドルフィーのバスクラのベスト演奏という声も良く聴く。ただ、個人的好みで言うと、本当は、ドルフィーのけったいな音(褒め言葉)は、やはりバンドアンサンブルの中で、一つのパーツとして機能するほうが好み。例えば、「ファイブスポット〜」で言うと、「 Bee Vamp」なんかが、実は大好き。