登山している人なら憧れる槍ヶ岳北鎌尾根、いわゆる北鎌
単独行の加藤文太郎や氷壁のモデルとなった松涛明の最後となった場所である
そのルートは多くの登山者の記録を何度も読んで知っているが、実際に行く機会はなかなか訪れない
単独行は、許されないし、とにかく10数キロの荷物を背負って10時間以上普通に岩尾根を行動する体力が必要だからだ
アプローチは大天井からだと貧乏沢下降、槍沢からなら水俣乗越、天上沢下降し、北鎌沢出合まで
北鎌沢右股に入り、分岐は基本右股をとり、最後だけ左に行き北鎌のコルヘ
北鎌のコルはP7とこれから行くP8の鞍部にあり、P9が天狗の腰掛、核心がP10が独標のトラバース
トラバース終了間際、左壁からハングする大岩と小テラス、一段下がったステップ、ザックをひっかけない様にくぐって
核心は終わる
その後あまり千丈沢側に下らないようにして、残置スリングのあるチムニーに至る
このチムニーの右足スタンスがうまく見つけられれば、左斜上して独標あるいは独標先の鞍部に至る
その後は小ピークを尾根沿いに拾いながら行くが、巻くときは右側千丈沢側を基本的にはとるが、あまり下らないようにしないと戻るのが大変
P13あたりザレザレの斜面を何とか登ってP14を越え(言うのは簡単だなぁ)P15、そして北鎌平にいたる
そしていよいよ最後の登りである
上下二個のチムニーがあり、下のチムニーは右に巻き道あり
そしていよいよ上のチムニーから頂上である 右足スタンス、そして左足のスタンスがかなり離れるようである
この左足を踏ん張って右壁への移動ができればチムニーは越えられるようだ
そこから天上沢側テラスからは頂上にいる人がみえるのでもう少しだ
話し声が聞こえてきて、祠のうしろからにゅっとピークに至る
北鎌を知っている人は拍手してくれるかもしれない バーチャル登山は完ぺきでかもしれない
今まで二度、一般ルートから槍のピークに行ったが、やはり祠の裏からすっと現れる姿は非常にかっこいいと思った
死ぬまでに一度行ってみたいものである
あくまでもビデオは編集してあるものであり、こんなにサクサクと進むことは実際にはあり得ないので、勘違い登山者が増えないことを祈ります
ここで遭難しても戻りようもないし、ヘリで救助されても、ザックやなどの自分の持ち物は残置されますので、後日だれかが取りに行くまでずっと寂しく放置、むなしく風化し、ゴミとなるだけです
追記
このビデオは山と渓谷社制作で女性アルピニストである谷口けいと大久保由美子が出演し、彼女らは日本を代表する登山家らしい 彼女らにとっては、北鎌はシビアなクライミングではないが、でも10時間以上の行動時間であり、かなり長い
谷口けいはBSグレートサミッツでピレネーの最高峰をクライミングしており、さらに金のピッケル賞というすごい賞をもらった登山家であることを知った