ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」のDVDを探していて、この映画を知り購入した。ブリュンヒルデ役がクリスタナ・ローケンさん。彼女は美しい女優さんで、ターミネータ3のT-X役のときの強烈な演技が印象的に残っている。本映画中でも、結婚初夜に国王を拒む異様な力はT-Xそのもの。
この映画では、ジークフリートは王子、ブリュンヒルデはアイスランド女王であるが、楽劇では、前者は神が愛した人間(ヴェルズング族の一人)で、後者は神の娘であるなど、設定やストーリーが変えてある。映画では、いくつかの重要な場面があっさりと流されている。例えばジークフリートが火に囲まれた岩山に横たわっているブリュンヒルデを接吻によって目覚まさせる場面である。楽劇では、神である父親の言いつけに背いた娘(ブリュンヒルデ)を人間に降格し、さらに「お前の眠りを最初に覚ました男のものとなるのだ」という罰則を与える。ブリュンヒルデは「つまらぬ男の餌食にならぬよう、火をも恐れぬ勇者だけが私に近づけるよう、岩山の周囲を炎で囲んでほしい」と父親に懇願して叶えられたものである。