インディーズ時代から光るものは持っていたし、完成された世界観をもっているなぁ、
と注目はしていたけれど、デビューしてシングル3枚を聴き、より洗練された方向に
向かったのか?とも思っていた。
しかし、今回のアルバムを聴いて、僕の予想を遥かに超えた幅広い世界を提供してくれた。
それは音楽性の幅だけではなく、スタンダードミュージックになりうるメロディーと
歌声に裏づけされたPOPSの王道の世界。
こういう音楽をやると、どうしてもバンド感というのが薄くなりがちなのだが、
蝉時雨はものすごい太さのバンド感を前面に打ち出しながら、さらっとやってのけている。
凄い才能ある新人が登場したものだ。
特殊な音楽ジャンルではないし、派手に目立つところも無いし、ビジュアルで目立つ
バンドでもない...。こういう音楽は10代の女性に受けるのかどうかは分からないが、
間違いなく70年代から80年代に完成された和製ポップスの21世紀盤がここにあります。
これを聴いて「名盤」という言葉が浮かんだし、僕の中では最近の邦楽の
ベストアルバムです。
01.僕のテレビジョン
02.24年とケーキ
03.待ち人に花
04.ナミダ工場
05.猫なで彼女
06.晴れたお空
07.煙の街
08.よごれた手
09.蟇
10.北風ハンカチーフ
11.蜩
12.シュガートースト物語