「人間の内面における狂気」というバンドコンセプトに惹かれて12012の1stマキシを買った頃は、まさか将来アニメのED曲を担当するなんて夢にも思いませんでした。今でもちょっと信じがたい話ですが。アニメのことは分からないので、純粋に12012の新作としての感想になります。決して悪い作品ではない、むしろ一般的に見れば良い作品かもしれませんが、初期から12012を聞いてきた者からするとあまり魅力を感じません。かなりシンプルなサウンドになり、尖ってはいますが、昔のような重苦しさ・圧迫感に満ちた音像はないです。ただ、アルバム「play dolls」以降にファンになった人ならば十分魅力的に思える作品だと思います。そういう人には十分オススメできます。
12012は「人間の内面における狂気」をコンセプトに、一人の少年を主人公にした物語を延々と描き続けてきたバンドで、結成当初から今までにリリースした全ての曲の歌詞は連載小説のように1つのストーリーで繋がっていました。主人公が心を病み、罪を犯したり、病院に入ったり、社会に復帰したり。そういうバンドがアニメの曲を作るなんて、「今までの世界観を捨てろ」と言ってるようなものです。一体どういう戦略なのか…。最近のシングルでは、更正した少年を罠にかけて裏の社会へ引き込もうとする謎の男「six」が登場したりしていたのですが、今作はそうしたストーリーから繋がっているのか?私にはちょっと判断しかねます。誰か教えて。
「サイクロン」は軽快で疾走感あふれる曲。キャッチーだが、鋭さがある。「butterfly」は切なく訴えかけるバラード。「Over」などの延長線上にあるような曲。「survival」は、わかりやすくワルな曲調。怒り・不満といった感情が爆発。3曲中最もダークな面が出た曲ではあるが、へヴィなサウンドではない。