YNQの2007年現在の最新作。
タイトルにも書いた通り、ここにきて過去最高の文句なしの出来。
様々なスタイルで演奏するバンドが一同に介したという
コンピレーションスタイルのアルバムとなっており、
MADLIBの引き出しの多さ、一つ一つの引き出しの深さを体感できます。
1stのスモーキーな感覚、SOUND DIRECTIONSのジャズファンク、
Weldon Irvineのトリビュート作品でのサン・ラー的(宇宙的)混沌。
ビートの質感も今までで最も黒く、ざらつき加減もなかなか。
それら全ての要素が交錯し、奇跡的な高レベルで融合しています。
前述した様にそれぞれのバンドで役割を分担している感じなので、
盛り沢山の内容であっても疲れずに通して楽しめます。
音作りのどこまでも深い感覚とは対照的に、メロディは今までで
最も親しみやすいもので、MADLIB初心者の方にも自信を持って薦められます。
・・・とベタ褒めですが本当にそれだけの価値のある作品で、
少なくとも2000年以降のHIPHOPではベスト1の作品に選んでいいかもしれません。
僅かでも興味のある方は、まずは聴いてみてほしいです。
14曲目は参加者が終結したという設定の10数分に及ぶファンクで、
一つのフィナーレのようでもあります。アルバムにも「新しい試みへの準備」
という様な事が書かれていて、次作からはYNQの方向性も大きく変わるのか?
と勝手に予測しています。