ブエノスアイレスで最も熱気のあるタンゴ・ホール<ラ・カテドラル>は、築200 年という歴史ある建造物。そこで行われるタンゴ舞踏会では、アルゼンチンのトップ・タンゴ奏者らが詩的で情熱的な音楽を奏で、ジセラ&ガスパルなど国際的に活躍するタンゴダンサーたちが優しくも荒々しいステップを響かせる。タンゴが生まれた時、イタリアやスペインから渡ってきた何百万人もの移民たちは移民の終着地、ラプラタ川のほとりで立ち尽くしていた。今日、2001年の経済政策「コラリート」により財産を失い絶望するその孫たちは、まったく正反対の方向“ヨーロッパ”に帰ることを目指している。 タンゴダンサーである74歳のロベルトと、20歳のマルセラを追うカメラ。12のタンゴ曲に乗せて綴られる彼らの物語は、切迫した状態と絶望の表現でもあるタンゴの本質を象徴する。また、彼らの過去や現在、そして未来はタンゴそのものの歴史を反映し、現在のブエノスアイレスの姿を鮮やかに映し出している。 ☆音楽について☆ ■作曲家でありギタリストでもあるルイス・ボルダが本作のために、アルゼンチンの至宝のミュージシャンたちを集めてオーケストラを編成し、厳選されたタンゴ曲がレコーディングされた。 ■92 歳にして現役のマリア・デ・ラ・フエンテや、《ローリング・ストーン》誌に”現代最高のタンゴ歌手”と評されたリディア・ボルダらタンゴ歌手の深い慈しみのある歌声、そして撮影終了の直後に亡くなった伝説のバンドネオニスト、ホセ・リベルテーラの演奏がタンゴの神髄を伝える。 ■豪華絢爛なオールスター・オーケストラが奏でるのは、『アディオス・ノニーノ』や、『スール』、『ラ・カチーラ』、『ラ・プニャラーダ』、そして、『ミロンガ・デ・ミス・アモレス』といったタンゴの定番。 ■普段あまり耳にする機会のない『パンペロ』、『エン・カルネ・プロピア』、そして、魅惑的なワルツ『エル・パイサヘ』、また『イロニア・デル・サロン』や『コラリート』といった新しい楽曲も収録されている。