三拍子のビートに、生楽器の透明感のある音色のサンプリングを掛け合わせて、もやのかかったようなやわらかな感触の薄化粧をまぶした、優美で極上のハウス。
world's end girlfriendなどの繊細なエレクトロニカにも通じるところがあるけれど、こちらは淡々と同じフレーズ反復していくだけ。だけど、線の細く涼しげな音色が、闇を貫く一筋の光明のようにミニマリズムの美しさを構築していき、静かな恍惚に導いていく。
本来ハウスの持っている猥雑な快楽性は漂白され、浮世離れした優雅で神秘的な音世界に浸れる。クラブで大音量で聴くよりも、ひとり寛いだときのリスニングに適した作品。