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日本人女流エレクトロニカアーティスト、cokiyuのファーストアルバムです。
女性らしい非常に緻密な音の構成です。
一音一音本当によく考えて作られ、配置されています。
特に高音部のキラメキ感が非常に美しく印象的です。
音楽理論あるいは音響心理学的バックグラウンドによるものでしょうか。
また、エレクトロニカの範疇にありながらボーカルの流麗なメロディが特徴的です。
声質も透き通っていて稀有な美しさを持っています。
テクノ・ポップは世にあまた存在しますが、
こちらはさながらエレクトロニカ・ポップといった趣きです。
新しいエレクトロニカの可能性を感じさせてくれます。
M-3、M-10などはすでにマスターピースと呼べるのではないでしょうか。
全体的な印象としては、とても上品で限りなく優しい音楽です。
軽すぎず甘すぎず、全体を通してほどよい緊張感を保っています。
Juana Molina、world's end girlfriend、Matryoshkaなどの
切迫感のあるエレクトロニカとは異なります。
Dale BerningやGutevolk、Nobukazu Takemura、Gabby&Lopezなどが好きな人にお勧めです。
これらのアーティストと比肩しうる素晴らしい完成度の作品です。
因みに、本アーティストは北欧系アーティスト(EBERG、Robert Svensson)や
ausの作品にもボーカルなどで参加しています。
トクマルシューゴのバンドやspace pitchというバンドでも活動しています。
また、Max/MSPの使い手で、ノイズミュージックを撒き散らす意外な一面も！
本作のジャケは実妹の手によるものだそうで、驚くほど音のイメージをよく表しています。
