当時この作品は低予算で作られ、人気もあまりなかったと聞きましたが、個人的には学校から帰ったら、真っ先にテレビの前でスタンバイして、この番組を楽しみにしていました。
石ノ森章太郎先生の原作で、仮面ライダーシリーズのプロデューサーの一人だった阿部征司さんがプロデューサーを務めていますね。そのためかデスターロボの声はほとんどの方が仮面ライダーシリーズで怪人の声を担当された方々ですし、デスターのドンドクターQ役には地獄大使役でお馴染みの潮健児さんを配していますね。主題歌を歌っている方が、うっかり八兵衛役でお馴染みの高橋元太郎さんなのも驚きです。水野兄弟の母親役の中真千子さんは「ウルトラセブン」2話で石黒隊員の奥さん役を演じた方ですね。
ケンローダー等の操演技術も大したものです。まるで本当にマシーンが空を飛んでいるようです。さすがは長年特撮監督を務めた矢島信男さんです。最近だとこういうのは安易にCGで済ませようとする傾向にあり、逆にリアル感がなくなっている気がします。
クロスボンバーをはじめとする兄弟技もいいですね。子供たちを悪の手先から守りたいという真剣な気持ちも伝わってきますし、最近のヒーロー番組みたいにおふざけばかりをやたらと前面に出して、真剣に人々を守りたいという気持ちがちっとも伝わってこない作品よりずっといいですね。今の子供たちに当時僕が見ていたヒーロー作品をみせたいな。
作品に出演している当時の子役の皆さんはおそらく僕と同世代の方々でしょうね。今では30代後半か40代になっているんでしょうね。親近感がわきます。水野兄弟を演じた方々は今では50代だとか。「もうそんなになるんだ」と驚きました。銀次郎役の土屋歩さんが江原真二郎さん、中原ひとみさんご夫妻の息子さんだと知ったのは最近でした。しかし若くして交通事故でお亡くなりになったと聞きました。当時あこがれたお兄さんが現在は故人だと知って残念な気持ちになりました。
惜しむらくは、デスターという組織が子供を泣かせて、その泣き声でダイヤを作るという大人気ない組織であること。「なんだかなあ」という感じですね。当時は何も感じませんでしたが、改めてみるとそう感じます。それが大人と子供の感覚の違いでしょうね。デスターロボもそんなに強いという印象を感じないですね。もう少し強ければいいんですが・・・。でもまったくバイクロッサーをピンチに陥れていないわけでもないし、最近の作品みたいに訳のわからないことをほざきながら、大して苦労するわけでもなく、簡単に倒されるいかにも“頭の悪そうな”敵などよりはましですね。
1話・・・「お前たちは運命でバイクロッサーになるんだ」と言われて、実際は「はい、わかりました」とはならないんでしょうけどね。おそらくは「勝手に決められちゃ困るよ。俺たちにも都合はあるんだから・・・」となりそうなんですけど・・・。当時は何も感じませんでしたが、そこも大人と子供の感じ方の違いでしょうね。それに肉親がいなくなったと知ったら、何でも屋“キャッツワーク商会”に電話するか?普通警察に連絡しないか?それはさておき、バイクロッサーの初陣で結構アクション等に力を入れていることがわかりますね。
3話・・・今やなつかしの夏目漱石の千円札です。ベトベトマン人間体役を演じている方は団巌さん。「仮面ライダー(スカイライダー)」ではクモンジン人間体を演じていましたし、時代劇の悪役でもお馴染みですね。
4話・・・何でカイワレなんだ?子供に食べてもらうんなら、果物の方がいいと思うけど・・・。「野菜を残さず食べよう」と言いたかったのか?
5話・・・普段は優しいお父さんのようですが、仕事に関しては使命感に燃えるお父さんですね。デスターに攻められても、口を割らず、命がけでダイヤを守ろうとする意気込みが伝わってきます。お父さんが登場するのは1話とこの5話のみではなかったでしょうか?個人的にはこのお父さんが好きで、お母さん以上に出してほしかったですね。それにしても、一緒に車に乗っていたお父さんの部下が本当はブラックマンがすり替わった偽者だったとは・・・しかし、その偽者にブラックマンがばけた捜査員が「ダイヤはどこか?」と尋問していたけど・・・。デスターってこういう所もまぬけなんだよなあ・・・。
7話・・・負傷した銀次郎を兄の拳が必死で看病する兄弟愛が伝わってきます。赤い実はプチトマトのようですが・・。
8話・・・子供からお菓子を奪う・・・一番デスターの大人気なさが極まった回・・・。これじゃバイキンマンレベルだな・・・。デスターが作ったお菓子の家もよくみるとダンボールで作られていますね。これも低予算の都合なのか・・・?しかしドラクロスは比較的弱いデスターロボの中でも妖術等を駆使して、なかなかバイクロッサーを苦しめている。その点ではいいなあと思いました。やっぱり強い敵を苦労して倒すからこそヒーローもかっこいいんですよね。お母さんのケンローダーを「四角いUFO」と称していたのも印象深いです。
9話・・・昔の「仮面ライダー」シリーズをビデオでレンタルし、そのビデオを見た子供たちは悪夢を見るという話。仮面ライダーは昔の方がよかったなあ・・・。今は改造人間という設定ではないせいか・・・面白半分に変身したり、自分が仮面ライダーであることを平然と人にしゃべったりする。こんなのヒーローとしても「自分はすごいんだぞ」と自慢しているようで、失格だと思うけど。本当のヒーローは名声は求めないものだと思う。横道にそれましたが、紙芝居屋と水野兄弟の和解がいやに早すぎる。30分に収めなきゃいけない関係からかもしれないけど、違和感がありました。子供の時はあまり感じなかったけれど。ちなみに紙芝居屋を演じている方は「科学戦隊ダイナマン」でメギド王子を演じた方だとか・・・同じ方が演じているとは思えないほど雰囲気が違いますね。
10話・・・ダイヤ入手の方法に関してシルビアの方がドクターQよりまだましではないか・・・。部下の方がずっと優れている。ラストでシルビアに対しドクターQが「欲に目がくらむからこうなるんだ」と責めていましたが、「あんたに言われたくないな」と思いました。タンクボンブ一見強そうだけど・・・弱いな・・・。
11話・・・銀次郎が記憶をなくしてしまい、拳のみで戦わなければいけなくなった話。記憶を取り戻すまでの過程がいやにあっさりしている感じがするけど・・・これも時間の都合か?前編、後編にわけてもよかったのでは?