AからBまで行く。目的はあります。でも途中で出会った人と一緒に知っているポピュラーソングを歌ったり、ヒッチハイク的に乗せた人の話がつまらないので途中で置き去りにしたり。何かの弾みで知りあった人と一緒に泊まったり、その人の身内に会いに行ったり海辺を散歩したり。日本ではそういう感じにはならないです。向こうにはそんな歴史があるみたいな。
そんな漂流者みたいな人が日本には見なくなった。20世紀にはまだいた気がするけれど。今の日本にはない漂流している感じがいい映画です。漂流しているのが好きな人にはいい映画かも知れない。突然亡くなった兄の住んでいた田舎に向かう弟という話ですが、ストーリーらしいストーリーはなくて、ずっとしかめっ面で。そのストーリー性の希薄さにも漂流感が漂っています。脈が遅くなる感じです。