サド・ジョーンズは、特に音楽的な教育は受けていないが、その分彼のアレンジは、聞きやすく自然。 収録曲はジャズのアンサンブルを聴かせるものが中心だが、M4「If someone had told me」は、 サドのソロが延々とつづくバラード。オリジナルの5曲までで終わっていたら、星3つくらいだった かもしれないが、ボーナス・トラック2曲で、全体の印象が変わる。M6「I've got a crush on you」 はリンダ・ロンシュタットの名唱でも有名だが、冒頭、ピアノをバックにサドがメロディ・ラインを 吹いていく。これが出色の聴き映え。その流れを受けて「Something to remember you by」は ケニー・バレルとのデュオ。これを聞いたらどんな辛口のジャズ愛好家も、泣きの1票を投じるだろう。