「21世紀にD-DAYの新作が聴きたいなあ」かつて、僕らは何度そんな夢想をしたことだろう。でも、それはもう夢、ではない。
名盤『GRAPE IRIS』の発表から21年目に当たる07年、D-DAYは川喜多美子のユニットとして再起動を果たし、ニュー・アルバムを完成させた。
D-DAYの80’sニューウェイヴ感覚を違和感なく現在にシフトさせた、水彩画のような音空間の中を、心地よく浮遊する川喜多美子の歌声。
これは、音で描いた「大人(かつてのニューウェイヴ少年少女)のためのファンタジー」だ。
「夢見る力/夢見る喜び」を与えてくれる彼女の歌声は、閉塞感だらけのこの息苦しい時代に、なんて魅力的に響くのだろう。
僕らが長年夢見てきた「21世紀に聴きたかったD-DAYの音」が、確かにここにある。