ノルウェーのエレクトロニカ・アーティストKim Hiorthoy(キム・ヨーソイ)の2ndアルバム。北欧エレクトロニカの傑作と驚かれた1stから7年振りのリリース。
彼の持ち味であり北欧のアーティストに共通する特徴でもある、優しく幻想的な音像と美しいメロディはそのままで、加えて前作に比べて少しビートが持ち上がっている印象。M2「Beats Mistake」などはアブストラクト・ヒップホップのような手触りもあって◎。
ロマンチックすぎず、適度に遊び心があるのも彼らしい。たまに挿入される子供や女性の声サンプルや施された不思議なテープ編集など、音楽的におもしろい作りになっている。実験的すぎない適度なコラージュセンス。
彼しかりJaga JazzistしかりSmalltown Supersound周辺しかり、独特の密室感、ローファイ感、ソフトな旋律などの特徴のある北欧の音楽は日本人にとって受け入れやすい気がする。その中でもKim Hiorthoyのちょうど良い「距離感」は素晴らしい。
デザイナーなどもやっているらしく、本作のアートワークも自身のデザイン。これも何だか北欧らしい。
エレクトロニカ、ブレイクビーツ好きには絶対お勧め。