サイモン・プレストンのオルガン独奏と、イェフディ・メニューインの指揮するメニューイン音楽祭管弦楽団によるヘンデルのオルガン協奏曲集である。op.4とop.7の協奏曲集のみならず、「カッコウとナイチンゲール」を含む3曲のオルガン協奏曲(No.13からNo.15)の15曲が収録されている。プレストンは後年トレヴァー・ピノックの率いるイングリッシュ・コンサートと
再録音
していたのだが、このメニューインとの録音は、古楽器にこだわらない大らかな演奏である。ただこの録音を仕上げるのに、通算四か所を巡っている。
op.4-1(No.1)、op.4-5(No.5)、No.13、No.14の4曲が1967年2月のマーチャント・テイラーズ・ホール、op.4-2(No.2)、op.4-3(No.3)、op.7-2(No.9)、No.15が1969年10月のワーウィックシャーのグレート・パーキントン教会、op.4-4(No.4)、op.4-6(No.6)、op.7-2(No.8)、op.7-4(No.10)が1968年9月と11月のクイーン・エリザベス・ホール、op.7-1(No.7)、op.7-5(No.11)、op.7-6(No.12)が1970年7月のセント・ポール女学院での収録である。このため、グレート・パーキントン教会やセント・ポール女学院での録音が残響が多めになるなど、響きに統一感がない。